5-21 【パーティジョブ】と【エクストラジョブ】
「もし基本5次職があって、そこで【エクストラジョブ】が手に入るとするなら、俺たちの特殊系統は本来そこで手に入れるはずなんだろうな。」
どの希少職もまず戦える力があることが前提となっている。
【遊び人】はスキルを真似てモンスターを討伐する必要がある。
他にジョブがあれば討伐自体は容易く、もしかしたらそれ自体が真似をしていると判定されるかも知れない。
【感応士】は精霊の力を借りてモンスターを討伐することが成長条件だ。
使役関係のスキルがあればより容易だったかも知れない。
【雑用士】は11種類もの攻撃方法が必要になる。
特殊な転職条件で転職したのでなければ、メインジョブに頼って戦うことが出来るだろう。
パーティの攻撃が別種類と判定されるのは救済措置かも知れない。
「まぁ私たちは成長させられたんだからいいじゃない。」
「ん。今は【パーティジョブ】。」
「【エクストラジョブ】も。」
「俺はセカンドジョブは【スキルマスター】で固定。サードジョブは基本4次職を進めてて、今は【ウェポンマニア】。パーティジョブには【雑用士】がとりあえず自動で入った。エクストラジョブには【パワーファイター】が入ったな。」
「私はパーティジョブには【見習い戦士】が、エクストラジョブには【見習い職人】が入ったわ。」
「ルナは【戦士】と【魔法士】。」
「レナも。」
「まぁ妥当と言えば妥当だな。3人のジョブはとりあえずマスターしないと変えられないから、それは必要として、今後どうするかだな。」
【職業斡旋】はマスターしたジョブしか変更することは出来ない。
「とりあえず俺のことから考えると、問題は【雑用士】だな。【オールラウンダー】を考えると魅力的だけど、【器用貧乏】が辛い。【職業体験】した時に他のジョブに影響を与えることが分かってるから、新しく使うスキルは弱体化を受ける。」
「でもいっぱいマスターするなら必要でしょ?全部【スキルラーニング】ってわけにもいかないでしょうし。」
「そうなんだよなぁ。」
「ん。カイトは頑張りすぎ。」
「みんなにも任せる。」
「まぁそう言われるとそうなんだけど。工夫次第では十分な火力は出せるだろうし。」
「【バリエーション】の最大倍率も工夫次第でいけるでしょうし、【雑用士】でいいと思うわ。すんなり5次職まで行けるのも魅力でしょ?」
「そう・・・だな。そうするか。余った枠はみんなが選ばない基本4次職を進めるよ。【ウェポンマニア】は多少レベルが上がるまでこのままにしとくけど。」
「ん。【マルチワーク】。」
「経験増える?」
「ん。・・・あーそうか。複数の職業があっても経験値は全部同じだけ入るんだから複数セットすればそれだけ増えるのか。」
【マルチワーク】を習得できるレベル40であれば比較的早く到達できるだろう。
「なおさら【オールラウンダー】を目指すべきね。」
「3つ同じにして3倍でもいいんだけど。まぁ【オールラウンダー】になったらまた【エキストラジョブ】で増えるし、進めるべきではあるんだよな。」
【エキストラジョブ】が複数あっても増えるかは確定ではないが、おそらく増えるだろうと言うことになっている。
理由としては『【職業体験】で指定出来ないから』。
増えないのであれば指定したところで影響はないはずで、指定出来ない理由にはならないからだ。
ちなみに同じように職業枠拡張系スキルのある【奴隷】系統とカオス系統は何が起きるか分からないので試したことはない。
「私はとりあえず【精霊魔法】のためにスキルを増やしたいから、汎用性のある【攻撃魔法士】は確定ね。あとは出来れはまだ【結界魔術士】かしら。防御魔法は魅力的だわ。」
【結界魔術士】は【補助魔法士】と【罠士】をマスターすることで解放され、【マジックシールド】【マジックウォール】【マジックスフィア】を習得できる。
○【マジックシールド】:対象の目の前に魔法の盾を出現させる。
○【マジックウォール】:任意の場所に魔法の壁を出現させる。
○【マジックスフィア】:自身を中心に半球状の防御結界を出現させる。
いずれも防御魔法で、【属性変換】の対象だ。
上手く使えばかなりの状況に対応できるようになるだろう。
「そうなると【見習い戦士】【見習い職人】が終わったら【魔法士】と【斥候】。ここまでは確定だな。」
「ええ。その後は【回復魔法士】と【罠士】に、そのあとは【攻撃魔法士】と【結界魔術士】かしら。」
「その辺りは【職業体験】で早くマスターできるだろうから、順番は何とでもなるかも。それよりも【攻撃魔法士】の次をどうするかかな?」
「【回復魔法士】との【メイジ】か、【罠士】との【紋章魔術士】かよね。」
「基本的にはそうだけど、3次職ならすぐマスターできるし、他のものでもいいかもな。」
「3次職のスキルが勿体無いし、【攻撃魔法士】【回復魔法士】【補助魔法士】【罠士】をマスターして、【ウィザード】と【結界魔術士】にするわ。」
「職業枠のランクを同じにすれば転職タイミングも一緒になるか。それがいいかもな。」
「じゃあそれでお願いね。」
フェリアの予定は決まった。
続きは予定している4次職をマスターしてからでいいだろう。
「ん。次はルナ。」
「ん?レナはいいのか?」
「ん。レナはレナで選ぶ。」
「ふむ。分かったよ。」
これまでずっとルナとレナは同じことをしてきた。
カイト達は気にしなかったし、それでいいと思っていたが心境の変化があったようだ。
「希望は【グラディエーター】と【ブレイカー】。」
【グラディエーター】は【軽戦士】と【格闘士】、【ブレイカー】は【重戦士】と【狩人】で解放される。
【グラディエーター】のスキルは【コンセントレーション】【コンビネーション強化】【両利き】。
【ブレイカー】のスキルは【ガードブレイク】【スペルブレイク】【マジックブレイク】だ。
○【コンセントレーション】:一定時間集中力を大きく上昇させる。
○【コンビネーション強化】:【コンビネーション】を強化する。
○【両利き】:両手にそれぞれ武器を持った際攻撃力にボーナス。
○【ガードブレイク】:防御力を一部無視してダメージを与える攻撃を放つ。
○【スペルブレイク】:遠距離スキル攻撃に当てることでそのスキルを無効化する。
○【マジックブレイク】:生命力の代わりに魔力にダメージを与える。
ルナは今のスタイルを強化する方針のようだ。
ちなみに【マジックブレイク】のマジックは魔力のことで【属性変換】には関係がない。
「うん。悪くないんじゃないか?【ブレイカー】で範囲攻撃も潰せるから【コンビネーション】も無駄にならないし。【コンセントレーション】と【集中】を重ねるのも効果的だろうな。」
【コンセントレーション】も【集中】もどちらも集中力を高めるスキルだ。
違いは効果の強さと持続時間。
【コンセントレーション】は効果が大きい代わりに短い。
「転職手順はちょっとめんどくさいけど誤差だろう。調整はさせてもらうけど。」
【戦士】【魔法士】の今は【斥候】に変更することはできない。
手順としては【戦士】【魔法士】のあと【見習い職人】【斥候】で、【斥候】をマスターするまで【見習い職人】は転職準備状態で待機がベストだろう。
「ん。それでいい。」
「んじゃ最後はレナだな。希望は決まってるか?」
「レナは【技法戦士】と【投擲士】。」
「ルナとの連携で遠くからサポートするタイプか?」
「それもあるけど、【デュアルスキル】。」
「なるほど・・・。」
【技法戦士】は【軽戦士】と【補助魔法士】、【投擲士】は【格闘士】と【道具士】で解放される。
スキルは【技法戦士】が【シャープネス】【クイックムーブ】【フェイタルヒット】、【投擲士】が【クイックスロー】【マルチスロー】【ダイレクトスロー】。
○【シャープネス】:自身の攻撃力と器用さを上昇させる。
○【クイックムーブ】:自身の敏捷性と器用さを上昇させる。
○【フェイタルヒット】:鋭い一撃を放つ。弱点に当たった場合防御力を無視してダメージを与える。
○【クイックスロー】:予備動作なしで投擲武器を投擲する。
○【マルチスロー】:同時に複数の投擲武器を投擲する。
○【ダイレクトスロー】:【アイテムボックス】から直接投擲武器を投擲する。
【スロー】系と【フェイタルヒット】はどちらもアクションスキルだが、【デュアルスキル】で合成すればダメージ無視の投擲攻撃が完成する可能性がある。
ルナの後ろから【クイックスロー】【ダイレクトスロー】のような出の分かりにくいスキルが使われれば避けるのは困難だろう。
投擲は投擲武器と言われる投げナイフや棒手裏剣などを投げつけることを言い、その威力は投げた人の攻撃力と器用さに依存すると言われている。
よって【シャープネス】や【クイックムーブ】は投擲にも効果があると言える。
「ルナもレナもスキルの扱いというか発想が流石だなぁ。」
【ジェネラリスト】の時でもその組み合わせ方に驚いたものだ。
「みんな決まったし、少しだけレベルを上げて今日は終わろうか。」
カイトは【ジョブマスター】【スキルマスター】【ウェポンマニア】【雑用士】【メイジ】。
フェリアは【エレメンタルマスター】【見習い戦士】【見習い職人】。
ルナとレナは【オールラウンダー】【戦士】【魔法士】。
このような構成でレベル上げをスタートした。
【メイジ】なのは少しでも魔法の威力を上げるためだ。
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