5-20 【エレメンタルマスター】と【オールラウンダー】

 「それじゃ次は【エレメンタルマスター】ね!」


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【エレメンタルマスター】

特殊【感応士】系統5次職

転職条件

 【精霊術士】をマスターする

 ミスリルを使用した精霊器を使用する

成長条件

 特になし

レベル上限:99

習得スキル

 【エクストラジョブ】(1)

 【精霊魔法】(10)

 【精霊共鳴】(40)

 【精霊譲渡】(70)

 【精霊化】(99)


○【エクストラジョブ】:自身にエクストラジョブを追加する。

○【精霊魔法】:スキルに精霊の力を上乗せすることが出来る。

○【精霊共鳴】:複数の精霊を同時に扱い、共鳴させることが出来る。

○【精霊譲渡】:自身の【精霊契約】を他者に譲渡することが出来る。

○【精霊化】:一定時間、自身を精霊に変化させることが出来る。

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 「相変わらず分かりにくいスキルのオンパレードだな。」


 「試してみないと分からないものばかりね。」


 「譲渡?」

 「転職条件?」


 「確かに【精霊譲渡】を使えば他者の【感応士】の転職条件を満たせることになるな。」


 「他の人のところに行きたいって子がいれば考えてもいいかも知れないわね。」


 「そういうのも条件かも知れないしな。【スキル情報】は大雑把にしか分からないから。」


 「それにしても転職条件のミスリルって、だからあんなに大騒ぎしてたのかしら?」


 「精霊達は色々知らないようで知ってるしなぁ。【陶芸家】も精霊からの情報だし。」


 『フェルム達は色々知ってるよ〜!」

 『でも言えないの!』

 『聞かれてないし〜?』

 『精霊にも・・・色々?』

 『仲間が増えると出来ることも増えるの!』

 『イルムもそろそろおねーちゃんになりたい!』

 『トルムも!』


 「お、イルムとトルムも話せるようになったんだな。姿もちょっと大きくなったか?」


 イルムは妖精型の光精霊。

 トルムは妖精型の闇精霊。

 姿は瓜二つだが、色は白と黒で正反対だ。

 そしてその姿が以前よりやや大人びている。


 『イルムも成長したの!』

 『トルムも!』


 「二人の後輩はもうちょっと待っててね?今のダンジョンは精霊いないでしょ?」


 フォースリムダンジョンは毎回生成型なので内部に精霊はいないらしい。


 「あ、ねぇカイト。今から作る精霊石を合成してみてくれない?精霊がやってほしいって言ってたの。」


 「精霊石?力が込められる前の?別にいいけど。」


 フェリアから5個の新しい精霊石を渡される。

 【精霊使い】の【精霊石作成】で作られたものだ。

 1つ作るのに5,000マナゴールド必要だが、今のカイト達にとっては気にする額ではない。


 何せ今日だけで第45波までを4周して28,000,000マナゴールドほど稼いでいる。


 「そう言えば同種の【合成】ってしたことないな。」


 【錬金術師】の【合成】は素材に素材を合成して新しい素材を作り出すスキルだ。


 精霊石はフェリアに渡された5個を【合成】する以外の組み合わせはなかった。

 出来ない組み合わせだと感覚的に失敗するイメージが生まれるのだ。


 そうして出来上がったものは『精霊結晶』。

 かかったマナゴールドは驚きの5,000,000。

 【消費マナゴールド半減】がなければさらに2倍のはずだ。


 【補助魔法士】と【鑑定士】をマスターして解放される【分析魔術士】のスキル【素材鑑定】によると、『より強く精霊の力を蓄えることの出来る結晶体』と出た。

 ちなみに精霊石は『精霊の力を蓄えることの出来る結晶』と出るので、精霊結晶は精霊石の上位素材だと言えるだろう。


 「今までの流れだと精霊結晶がこの先必要になるってことだろうなぁ。結構マナゴールド使うし、今後の素材は高くなっていきそうだな。」


 「稼げてはいるけど、素材を探すこと自体は手探りだし、苦労しそうね。」


 「しっかり作る人もいないしな。」


 「少しレベル上げて、レッサーデーモンにリベンジしたら、フォレストリア。その後は仲間探しかしら?」


 「ん!まずはルナ達!」

 「【オールラウンダー】!」


 「あぁ、そうだな。今後の話をするにも【オールラウンダー】を調べないと。」


 「ごめんね。先走っちゃった。」


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【オールラウンダー】

特殊【雑用士】系統5次職

転職条件

 【ジェネラリスト】をマスターする

 【バリエーション】の最大倍率を達成する

成長条件

 特になし

レベル上限:99

習得スキル

 【エクストラジョブ】(1)

 【免許皆伝】(10)

 【ルーチンワーク強化】(40)

 【デュアルスキル】(70)

 【才気煥発】(99)


○【エクストラジョブ】:自身にエクストラジョブを追加する。

○【免許皆伝】:マスターしたジョブのスキルを一部を除き習得する。

○【ルーチンワーク強化】:【ルーチンワーク】の強化効率を上昇させる。

○【デュアルスキル】:2つのスキルを組み合わせて同時に使用できる。

○【才気煥発】:【器用貧乏】【多芸多才】のデメリットを無効化する。

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 「地味だな。強いけど。」


 「地味ね。強いけど。」


 どのスキルも強力だが、それ一つで戦略が変わるほどのものでもない。


 「地味・・・。」

 「しょんぼり。」


 「いやめちゃくちゃ強いだろ!フェリアみたいな派手そうなスキルはないけど!」


 全てのスキルがパッシブスキルの可能性が高い説明であるので、アクションスキルのような派手さはないが、その内容はとんでもない。


 【エクストラジョブ】は言うまでもなく強力なスキルだ。

 ジョブ補正が複数持てるようになるのはパーティのメンバーが増えるのとほぼ同じだからだ。

 むしろそれよりも強力だろう。

 攻撃力100の人間が2人と攻撃力200の人間が1人いた場合、敵の防御力が0ならばどちらも同じだが、防御力が100ならば前者はダメージを与えられず、後者なら100のダメージが徹るからだ。

 実際はそんな単純な計算ではないだろうが、高ステータスを持つというのはそういう意味合いもある。


 【免許皆伝】は基本3次職までのスキルしか持たない【オールラウンダー】にとっては垂涎のスキルだろう。

 基本4次職を育てる手間はあるが、育ってしまえばどんどんとスキルを増やせる。

 全ての基本4次職のデータが揃った今ではかなり効率的に自身を強化できるだろう。


 【ルーチンワーク強化】は試してみないと分からないが、100回使用して1%の上昇率が50回で1%になるだけでも大きい。

 説明的に強化上限は変わらない可能性が高いが、【免許皆伝】で増えるスキルが強化しやすいのは大きいと言える。

 

 ちなみに【ルーチンワーク】の強化最大値は+30%で、-20%から考えると5,000回使用する必要がある。

 これは【アイテムボックス】で確かめた。

 【アイテムボックス】の枠の数が120になってから増えなくなったのだ。


 【デュアルスキル】だけは使ってみないとよく分からないと言えるが、二つのスキルを同時に発動させたいと思うことはよくある。

 【マジックボール】に【パワーアタック】を加えれば【強化マジックボール】と言える攻撃になるだろうし、【フルスイング】と【ヘビーアタック】を同時に使えれば【ヘビーフルスイング】と言うような強力な攻撃になるはずだ。


 そして【才気煥発】。

 圧巻のレベル99スキルだ。


 【器用貧乏】によって威力が20%落ちるというデメリットが無効化される。

 しかし【ルーチンワーク】の効果が無くなるわけではない。

 【ルーチンワーク】で最大強化されていた場合、【才気煥発】でデメリットを消去されると最大1.5倍になるという計算だ。

 

 さらに【多芸多才】の消費魔力2倍のデメリットが消去されると、消費魔力が半減することになる。

 【ジェネラリスト】ですでに【消費魔力半減】を持っているので、元に戻るのではなく半分の消費で良くなると言うことだ。


 「うん、やっぱり地味だけどめっちゃ強いな。」


 「しっかり活かすには今後の方針をじっくりと決めないとね。」


 4人全員が【パーティジョブ】と【エクストラジョブ】で職業枠が増えている。

 【職業訓練】の効果もあるので問題となるのは、どの基本4次職を選ぶかと言うことだろう。


 「波を進めたら、次は何を選ぶか考えようか。」


 30分以内に波を全滅させないと強制排出されてしまうので、とりあえず次の波で相談することとした。

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