5-19 【ジョブマスター】と【スキルマスター】

 「それじゃ考えても仕方ないし全部転職させちゃおう。」


 転職できるかは分からないが、と心の中で付け加えたが。


 その結果。

 【リクルーター】は【ジョブマスター】に。

 【スキルテイカー】は【スキルマスター】に。

 【精霊術士】は【エレメンタルマスター】に。

 【ジェネラリスト】は【オールラウンダー】になった。

 

 全員無事に5次職へと転職でき、様々な変化に驚いている。


 「とりあえず落ち着いて1つずつ見ていこう。」


 まずは【ジョブマスター】。


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【ジョブマスター】

特殊【遊び人】系統5次職

転職条件

 【リクルーター】をマスターする

 30種のジョブをマスターする

成長条件

 特になし

レベル上限:99

習得スキル

 【パーティジョブ】(1)

 【職業訓練】(10)

 【マルチワーク】(40)

 【キャリアアップ】(70)

 【職業作成】(99)


○【パーティジョブ】:自身とパーティメンバーにパーティジョブを追加する。パーティメンバーはパーティから脱退するとパーティジョブを失う。

○【職業訓練】:パーティメンバーが、自身がマスターしているジョブに就いている場合、そのメンバーの取得経験値増加。自身が、パーティメンバーがマスターしているジョブに就いている場合、自身の取得経験値増加。

○【マルチワーク】:複数のジョブ枠に同じ職業を選択することが出来る。一部を除きスキルの重複はしない。

○【キャリアアップ】:マスターしているジョブで一定の経験値を獲得すると、キャリアアップポイントを得られるようになる。キャリアアップポイントを使用してジョブを強化することが出来る。

○【職業作成】:一定条件の範囲内で新たなジョブを作ることが出来る。作成にはキャリアアップポイントを使用する。

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 圧巻だ。

 まず何と言っても【パーティジョブ】。

 パーティメンバーに職業枠を追加する壊れスキルだ。

 これで【リクルーター】の【職業斡旋】も活かしやすくなるだろう。


 【職業訓練】も凄まじい。

 増加率がどれくらいかにもよるが、カイトは基本3次職は全てマスターしているので、パーティメンバーにはかなりの恩恵になるだろう。


 【マルチワーク】はよく分からない。

 むしろ出来なかったことすら知らなかった。

 ステータス補正を狙い通りにコントロール出来るくらいか。


 【キャリアアップ】は、マスターした後でも経験値が無駄にならなくなるのは喜ばしい。

 問題はキャリアアップポイントがどの程度得られるかと、ジョブの強化がどういうものかだろう。


 【職業作成】。

 カイトにとっては歓喜の代物だ。

 なんとなく【賢者】への憧れがあるので、存在しなければ作ってしまえるということだ。

 問題はキャリアアップポイントをどの程度消費するかだろう。


 「【パーティジョブ】は素直に有り難いわ。これで私も色々と汎用性が持てそうだもの。」


 「ん。便利。」

 「【職業訓練】もすごい。」


 「今後の方針は全部確認したらだな。条件をクリアしていたのは幸いだったな。基本3次職をマスターしなかったら停滞するところだった。」


 基本1次職が2つ。

 基本2次職が6つ。

 基本3次職が18個。

 そして【遊び人】【技能士】系統がそれぞれ4つ。


 【技能士】の分余裕があるが、基本3次職を進めず4次職のレベル上げをしていれば足りなかっただろう。


 「それじゃ次は【スキルマスター】調べるぞ。」


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【スキルマスター】

特殊【技能士】系統5次職

転職条件

 【スキルテイカー】をマスターする

 スキルを30種所持する

成長条件

 特になし

レベル上限:99

習得スキル

 【エクストラジョブ】(1)

 【スキルオフ】(10)

 【ギブスキル】(40)

 【スキル統合】(70)

 【スキル設定】(99)


○【エクストラジョブ】:自身にエクストラジョブを追加する。

○【スキルオフ】:任意のスキルの効果を発動しないように設定できる。任意解除可。

○【ギブスキル】:【スキルラーニング】で習得したスキルを自身から消去し、他者に付与することが出来る。付与したスキルは【テイクスキル】で完全に奪うことが出来る。

○【スキル統合】:【スキルラーニング】で習得した複数のスキルをまとめ統合することが出来る。統合後のスキルは【ギブスキル】の対象になる。

○【スキルポイント】:【スキルラーニング】で習得したスキルをスキルポイントに変換する。スキルポイントを使用して一定条件内のスキルを作成する。作成したスキルは【ギブスキル】の対象になる。

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 「これはまたすごいな。とにかく説明が長い。」


 「スキルを貸したり、まとめたり、作ったりって感じね。」


 「ん。いっぱいラーニング。」

 「それを借りる?」


 「そこまでレベルを上げて色々確認する必要はあるけどな。」


 とは言っても【ものまね】や【職業体験】の対象にすればすぐ使えるだろう。


 結論から言えば【職業体験】に5次職を指定することは出来なかったが。

 ジョブ拡張スキルを持つジョブは【職業体験】に指定することは出来ないようだ。


 また試したことはなかったが、【スキルスロット】で試すことも出来なかった。どのスキルも一度スキルスロットに指定してから使う必要があるらしいからだ。

 【スキル統合】なんかは【スキルスロット】内で混ぜ合わせるようなイメージなのだろう。


 【ものまね】はそもそも【職業体験】【スキルスロット】に指定できない時点で不可能だ。

 【ものまね】の対象とするためには、そのスキルを使用しているところを見るか、【職業体験】でジョブを指定した後に使うか、【スキルスロット】で使用しないとだめだからだ。


 「なかなか上手くは行かないわね。」


 「まぁ5次職だしな。仕方ない。」


 【職業情報】にしても5次職を指定した際、アナウンスがあった。


『パーティメンバーに【スキルマスター】を確認しました。情報を解禁します。』


 スキルにすら情報を秘匿されていたのだ。


 これから5次職、存在するかは5次職以上に不明な6次職は自身がそのジョブになって確認するしかないと言うことだ。


 ちなみに【スキルマスター】の転職条件は、【遊び人】系統で11個、【スキルマスター】で11個、【ウェポンマニア】のレベル40スキルまでで基本職の11個となりクリアしていた。


 【ジェネラリスト】の【多芸多才】による基本3次職の全スキルというのが対象になるかは分からない。


 本来ならばいくつか【スキルラーニング】で取得している必要があるだろう。


 「これからは積極的に【スキルラーニング】していかないとなぁ。」


 これまでに【スキルラーニング】で習得したスキルは11個。

 【パラディン】の【パラディンガード】と【ディバインストライク】。

 【魔法戦士】の【マジックウェポン】と【バーストストライク】。

 【ウェポンマニア】の【アイテムボックス】と【瞬間装着】。

 【メイジ】の【シャイニングレイン】。

 【ウィザード】の【ダークイロージョン】。

 【冒険者】の【ダンジョンウォーク】。

 【道具士】の【アイテムボックス】。

 そしてレッサードラゴンの【マジックブレス】だ。


 パッシブスキルのラーニングにはまだ成功していない。

 アクションスキルは【スキルスロット】で200回使用すればラーニング出来るので、攻撃スキルでなければ、2時間もあれば達成できる。


 「【シャイニングレイン】なんかは【ギブスキル】で渡してもまたすぐラーニングできそうだな。」


 現状【シャイニングレイン】は【スキルスロット】でしか使っていない。

 【ジェネラリスト】を【職業体験】していることで消費は半減しているが、消耗は避けられるのであれば避けるべきだからだ。


 そうして話題はフェリアの【エレメンタルマスター】と、ルナとレナの【オールラウンダー】へと移って行く。


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