第48話 長かった一日の終わり
どうにかオオカミが動けるようになり、無事に屋敷へと帰ることができた。
オオカミがまだ本調子ではなかったので時間がかかってしまったけれど、夜になる前に屋敷にたどり着けたので良しとしよう。
いくら浅瀬だとはいえ、森の中を夜になってから歩きたいとは思わないからね。
屋敷についてからも、心配して出迎えてくれたオニキスをなだめたり、寝落ちしていた仔オオカミが屋敷にはしゃいだりとなかなかに大変だった。
幸い、オニキスがオオカミたちを拒否することなく受け入れてくれたから良かったものの、ここでもひと悶着起きていたら日が変わる前に休むことはできなかったかもしれない。
まあ、そうはならなかったので、今はオニキスのいる厩舎でオオカミたちもゆっくりしているはずだけれど。
「さて、どうしましょうか」
オオカミたちのことはひとまずどうにかなったとはいえ、問題が片付いたわけではない。
オオカミと従魔契約を交わしたことはもちろんのこと、やや奥まった場所とはいえ比較的屋敷に近い場所に凶暴なクマが出たという問題もある。
特にクマの問題に関しては、町に避難する際に別の魔物が出てきて襲われるかもしれないという、割と深刻な問題をはらんでいたりするし。
「まあ、それでも一度町に行ってギルドへ報告する必要はあるでしょうね」
襲われるかもしれないと考えながら報告に向かうというのもアレな気がするけれど、予定では今日のうちに町に避難するはずだったのだから何らかの連絡は必要になると思う。
明確に今日だと伝えていたわけではないけれど、ティナさんには今日あたりに町に避難すると言っていたわけなのだから。
「そうなると、問題になるのはオオカミたちのことよね」
おそらく仔オオカミたちだけであれば町まで連れて行っても問題なかったとは思う。
けれど、親のオオカミの方はさすがに町に入れるのは厳しいのではないだろうか。
冒険者の中にはあれくらいの従魔を連れている人も探せばいるだろうけれど、さすがに私が契約者ではあまり信用されないだろうし。
「……はぁ、考えても分からないし、諦めてティナさんに相談することにしましょう」
色々あった疲れもあり、問題をティナさんに丸投げすることにして眠ることにした。
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