地平線の彼方に

 変わりゆく夢、変わらない現実。


 空を見上げることに疲れて、視線を地面に落とした。


 悲しいほどの静けさが、ここがどこなのか教えてくれる。


 こんなはずではなかったのに。


 でも、心のどこかではわかっていた。


 地面を見つめながら、ずっと生きてきたから。


 うつむくのに嫌気がさして、美しい夜空を見上げてみたかった。


 星々に想いを馳せて、叶うはずのない夢を。


 変わらない現実の中、変わりゆく夢が堕ちていく。


 流れ星のように尾をひきながら、燃えつきて消えるまで。


 きらめく星々、ひとつの大地。


 地平線の向こうを眺めて、明日に想いを馳せる。

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大地と星の狭間で 桜瀬悠生 @mogurikumaru

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