【2段階 - 1,2】罵倒されたい人生だった(ただし美少女に限る)
2段階の最初はシミュレーターだった。
ちなみに残りは9コマあるのだが、そのうち3つはシミュレーター、1つは学科なので実車に乗る機会はあまり多くは無い。
二輪教習では路上教習が無い(現行法ではできない)為、公道を走る上で気をつけたい点を模擬体験を通じて学ぶスタイルをとっているようだ。
今回も例に漏れず、私を含めた3人で交代しながら路上走行のシミュレーションを行った。歩行者の横断、路駐を避ける、緊急車両に道を譲る等、公道あるあるを短距離に詰め込んだせいで少々疲れたが、頭で考えるのと実際に手を動かすのでは全然違くて、その場に応じた危険回避は難しいと思った。
◆
2段階ではバイクの基本的な運転はできる前提で、実際の交通法規(という名の道交法厳守の教習所限定スタイル)に基づいた走行を行う。
2コマ目は卒検のコース走行ということで、事前に覚えた道順に沿って走ることとなった。
「――そんな感じで行く訳ですが、カーブは徐行……ちなみに徐行は何キロ以下ですか?」
「うぐっ、えっと……」
教官から説明を受けていた時に、不意にこんな質問をされた。学科教習は履修済みだし答えられて当然なのだが、なんせ7年前の事だ。やべぇ、なんとなく覚えてるけど確信が無い……。
「10キロ以下……ですか?」
「うん、正解。ですので、ゆっくりカーブは通行して――」
当たってた……! 役立つ事は無かったのに記憶の片隅に留めてくれていた私の脳、ありがとう!
ただ、これから運転するようになれば学科の知識も必要不可欠になるので、学生時代に戻ったつもりで復習しておきたい。生真面目と言われるかもしれないが、公道を走る上でのルールは大切だ。もちろん、車の流れやマナー等、法律には無い慣習にも従って安全第一でハンドルを握りたいと思う。
コース走行は問題無く走破できた。道順も忘れなかったし完璧。コケたけど。
いやほんと、2段階に進んでも転ぶって恥ずかしいよね。教習中は判別しやすいようにゼッケンを着けるのだけど、1段階と2段階では色が違うから周りから見ても丸分かり。きっと他の教習生は心の中で「うわあいつ2段階にもなってコケてるよざっこwwww」等と嘲笑っているのだろう。悲しい。罵倒されるのはツンデレ美少女とメ○ガキだけで十分だ。
当面の目標は転ばないこと。あまりにもハードルの低い目標だが、これさえ乗り越えられれば大きな問題は無くなるのだ。
果たして、スーフォア君を押し倒さない日は来るのだろうか……。
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