幕間・金築史香

幕間・金築史香①

「ねぇ、お兄ちゃんってさ、大学で何を勉強しようと思ってたの」

「情報工学。コンピュータの勉強だな」

「ふーん。あ、ハンマーいただき!」

「おま、またかよ!」

 フェリクスともう一人の少女――小島蜜李はテレビゲームに高じていた。画面の中ではフェリクスが操作するキャラクターが蜜李のキャラクターに蹴り飛ばされては、画面外にまで吹っ飛んでいく。どうにかフェリクスのキャラがステージまで戻ってこようとするが、また狙いすましたかのように蜜李のキャラに蹴り飛ばされてしまう。

「だぁー、やられたー!」

「ぷふぅー、お兄ちゃんってばほんとゲームへたくそ! ざぁーこざこざこ、スママスで小学生に負けちゃうお兄ちゃんってば、ほんとざこ!」

 観念したかのようにフェリクスはコントローラーをベッドの上に放って、ふと気づく。

――あぁ、またいつもの悪夢か。

 そもそも蜜李と一緒にゲームで遊んであげた記憶なんて無い。

「そう。お兄ちゃんはこんな風に一緒に遊んでくれることなんて、ほとんど無かった。あたしは遊ぶ時も一人だった。お兄ちゃんはただ見守るだけ。距離を取っていた」

 ぐるりと首を回して、蜜李がこちらに目を向ける。ガラス玉のような目。そして蜜李の姿かたちで崩れていく。テクスチャが剥がれていくように、オルタネーターに似たスノーノイズが蜜李を覆い始め、輪郭もあやふやなものになっていく。

「お兄ちゃんはあたしのことを大事にしてくれた。でもそれはわたしがエフェクターだから? かわいそうなこどもだから?」

 問い質し、そして責め立てる声がガラスを擦り合わせたような身の毛のよだつ音になり果てる。

「そもそも本当に大切に思ってくれていたのなら、どうしてあたしを死なせてしまったの?」


 罪悪感のリフレインをようやく抜け出せた。

 時計を見れば、まだ夜明け前の時刻だった。

 吹き出た脂汗と意識を暗闇から無理矢理引きずり出されたことによる倦怠感を抱えながら身を起こす。

 フェリクスは寝癖でくしゃくしゃになった白銀の髪をぼりぼりと搔きながら、四肢をだるくさせる重力に抗い立ち上がる。

 足元で何かを蹴る感覚。小さなスミノフのボトルが倒れて転がる。

 蜜李をみすみす死なせてしまってから半年が経つ。

 静かな夜ごとに訪れる身を引き裂かんばかりの罪悪感からもたらされる不眠に耐えかねて、まだ飲み慣れないアルコールの力を借りて無理矢理にでも眠りの中に意識を落とし込もうとするが、必然と酔いからくる睡眠は浅くなり悪夢に陥る頻度は多くなった。あの悪夢が蜜李という少女を守ることができなったことに対する罰であるならば甘んじて受け入れるが、それで睡眠不足となっては、まだ自分に残されている責務を果たすのに支障が出るので如何ともし難い。

――責務を果たす、だと? 

 自分にまだそんな欠片ほどの責任感とやらが残っていたことに、内心で僅かに驚いて自嘲に鼻を鳴らす。何度見た悪夢の中の蜜李も何度責めていたじゃないか。こんな国、こんな東京なんてどうでもいいはずなのに。

 目覚めの気付けにと、テーブルの上に放置してあったキャップを開きっぱなしにしてガスの抜けた炭酸水を呷る。導眠剤代わりのアルコールと寝汗のせいで脱水になりかけている喉を僅かに残った炭酸が刺激しながら潤していく。

 顔を上げると姿見に映る自分自身と目があった。寝癖だらけの銀髪に日本人離れした顔つきの男が浮腫んだ目つきで憮然と睨み返してきた。青白い肌は白人の血が混じっていることによるものだけではないだろう。

「敷島」と印字された煙草を手にして、よろよろとベランダへと向かう。残った酒気に痛む頭を抱えながら煙草を咥えて火をつける。紫煙の重い刺激が意識をようやく覚醒させていった。

 吐き出した紫煙は夜明け前の空に消えてすぐに見えなくなった。


「葉月フェリクス君、君には新たなパートナーをつけてもらいたい」

 柏の葉にある社会衛生庁の司千歳のオフィス。ミーティングに赴いた厚治と朝希、そしてフェリクスの三人は司にやおらそんなことを言われて目を丸くした。

「おい待て、俺にパートナーは必要無いって何度も言ってただろう。俺はエフェクターがいなくても一人で戦えるって」

「そのエフェクターの娘、君と同様にちょーっと一筋縄とはいかないものがあってね。でも、もしかして君となら水が合うんじゃないかなって」

「話を聞けっ」

 酒に焼けた声をあげるフェリクス。だがそれを無視して司は話を続けた。

「おーい、それじゃ入ってきていいよー」

 司に呼ばれて、おずおずと一人の少女が入室してきた。

 ひと目見て、朝希とは、そして蜜李とも全くの正反対の人間だとフェリクスも厚治も思った。

 高価な人形を彷彿とさせる品の良さが窺える格好にややウェーブのかかった長髪は、フェリクスとは対照的な濡羽色の黒。最初に抱いた印象は臆病な小動物。くりっとした瞳をこちらを窺うように上目遣いで向け、身構えるかのように両手を胸の前に当てている。人見知りか、あるいはこれからエフェクターとして活動することへの不安か。またはその両方か。

 艶のあるやや長い髪とフォーマルで品のある装い、そして彼女のおよそ十歳前後とは思えない清廉な一挙手一投足はおそらく親に躾けられたものであり、彼女の生まれと育ちの良さを現していた。

「國仲史香と申します」

 その名を耳にして、厄介そうなことになりそうだな、とフェリクスは胸中で吐き捨てる。

 抗議の視線を司に向けるが、当人は「それが何か?」と貼り付けたような微笑を返すだけだった。かと言って、今しがた入室してきて、こちらの事情を知らない少女に「帰れ」と言えない程度にフェリクスは酷薄にもなれない。

 フェリクスは史香にかける言葉を持ち合わせていなかった。重苦しい空気に降りて言葉を詰まらせる。

「ごめんなさい。わたし、やっぱり厄介者でしたね……」

 数泊の不自然な沈黙を拒絶と汲み取ったのか、史香は伏し目がちに言葉を口にした。

「……違う、そういうことじゃないんだ。待てよ、待ってくれよ……。もうたくさんなんだよ、うんざりなんだよ……! バケモノと戦いながら子供のお守りをやるなんざ……。子供を死ぬような目に遭わせるのも、見ず知らずの男を共同生活させるのも、普通に考えりゃ頭イカれたことやってるってわかんねえのかよ!」

「そんなこと、ここにいる誰も彼もがわかっていることなんだよ」

 差し挟んできた厚治にフェリクスは苛立ちを露わにした視線を突き刺す。

「俺たちだけわかってても仕方ねえだろ……! 東京の外にいる人間にとっちゃ、結局は全部他人事なんだよ。そういう連中の馬鹿さ加減が、子供たちをこんな場所に追いやってきたんだろうが……!」

 声を荒げてまくし立てるフェリクス。その瞳が微かに潤んでいるのを史香は確かに見た。

「俺一人でも戦えるんだから、そうさせろよ! 前の子が死んだから代わりを持ってきましたってなっても、はいそうですかって受け入れられるかよ……! エフェクターは失くしたら補充される装備品じゃねえんだぞ……!」

 司が「えーっとね」と割り込む。

「彼女の場合、少し事情が特殊でね。むしろ彼女は東京の外に存在した方がちょっと危なっかしい事情があってね」

「何を……」と微かにたじろぐフェリクスに、「まぁそれは追々説明するとして」と司が有無を言わせぬよう畳み掛ける。

「彼女と一緒に戦うことと同時に彼女のことを他の人間からも守って欲しいんだ」

 フェリクスの脳裏にフラッシュバックする。こちらに笑顔を向けている少女の姿。つい先程まで笑ったりはしゃいでいたりした少女が塩の塊と成り果てていた光景。そしてその絶望がリフレインされる。

「……やめてくれよ。俺は、誰も、守れないんだ」

「私はそうは思わない」

 フェリクスが吐露した自身への否定を、だが司が即座に否定する。

「君は一度犯した過ちを二度とすることは無い。この極限状態を二年以上も生き残った君を間近で見てきた私だからこそわかる」

「勝手なことを……!」

「……ごめんなさい、本当に。わたしのことで、皆さんにご迷惑をかけることになってしまって」

 か細い声がフェリクスの言葉を遮った。見れば史香は申し訳無さそうに視線を伏せている。

 これ以上、言葉を続けるほどにフェリクスは下劣ではなかった。真一文字に唇を結んで、罰が悪そうに視界から彼女を外す。

「これ以上、あの時みたいなことになりたくないってのもわかるがよ、お前一人ここで意地張ったって何も変わりはしねえ。ここでお前が駄々こねて突っぱねたところで、この娘は別のオブジェクターの元に行くだけだ。そいつはろくでもない奴かもしれないし、しょーもない雑魚かも知れない。だったらお前と一緒の方が遥かに生き残れる可能性は高いと俺は思うがね」

 厚治の弁舌に司もうんうんと頷く。

 それでも煮え切らない表情を崩さないフェリクスに「あーもー!」といらだちが頂点に達した朝希はやおら立ち上がると、そのの脛にトゥーキックを突き刺した。

「い゛っ……! ばっかおまっ……! いきなりなにを……!!」

「ハタチ超えた男が女の子一人守ってみせるとか言えないでどーすんのよ!」

「……ぐっ」

 朝希のその言葉にフェリクスは呻くしかなく、反論の言葉を口にするのに数拍を要した。

「そんな簡単な話じゃねえだろ! このクソメスガキ!! 俺にはそれが出来なかったから……!」

 蹴られた脛を必死で擦りながら涙目になっているフェリクスの前の前に立つ朝希。

「この意気地なし!!」

 鼻息荒く啖呵を切ってみせた。

 全く穏やかではないやり取りを司と厚治は「あっはっは」と声を挙げて和やかに笑っており、史香はどうすればいいのかわからず視線をオロオロとさせるしかなかった。

 そんな史香の前に朝希が立ちふさがる。活発そうな吊り気味の両目と自分に対して自信に溢れているような上向きの口角と大きな声。何もかも自分とは存在に、史香はわずかに身をすくめた。

「あの、なにか……」

「あなた、お名前は?」

 さっき自己紹介したはずなのに。元気よく再び尋ねられたことに困惑しながら、史香は「國仲です。國仲史香……」とおずおずと答えた。

「下の名前、漢字はなんて書くの?」

「えっと……歴史の〝史〟に香水の〝香〟です」

「歴史ってどう漢字で書くんだっけ? まあいいわ。後でアツジに教えてもらうから」

「それくらい自分で調べなさい」という厚治の声を無視して、朝希は自分のペースでさらに続ける。

「わたしは朝希。東雲朝希。朝に希望って書くの。カンタンでしょ!」

「え、あ、はぁ……」

 ぐいぐい来る朝希に呆気に取られる史香。そんな彼女に朝希は構わず続けた。

「こっちの日焼けしてるサーファーっぽいのがアツジ。キャンアツジ。キャンって変な名字でしょ。わたしのパートナーよ」

「よろしくな、史香。サーフィンはやったことないけどな」

「で、こっちの銀髪があなたのパートナーになるフェーリャ!」

「おい待て、俺はまだ」

 この期に及んでまだ口を挟むフェリクスを無視して、朝希はまくし立てていく。

「この男はさっきの通りヘタレだけど、やる時はやる男よ。オブジェクターとしての実力はとても高いし、戦いの経験も豊富なベテランよ。あたしたちエフェクターのことも気遣ってくれるし、口はちょっと悪いけど頭も良いからお話してても楽しいし」

 それになりより……と朝希は更に続ける。

「フェーリャは顔が良い!!」

 呆れたように深くため息をついてうなだれるフェリクス。そんな彼を厚治は足で軽く小突いた。

「なんだよ、サーファー」

「こりゃ決まりだな、おい。あとサーファーじゃねえ」

 ニヤつく厚治を見て、フェリクスはもう一度、今度は観念したかのようにうなだれてため息をついた。

「えーっとね、あとね、声も良いし、部屋もちゃんと片付いているし、料理もそれなりにできるし。とにかく史香! あなたは一流のオブジェクターを引き当てたのよ! 何も心配することはないわ!」

 困ったような表情で視線を司とフェリクスの相田で右往左往させている。

「君、改めて名前を教えてくれ」

 渋い顔をどうにか微笑を貼り付けてフェリクスは改めて史香と目を合わせた。

「か……、國中史香と申します」

「俺は葉月フェリクスって言う。さっきは失礼なことを言ってしまったな。謝罪する。改めて訊くが、本当に俺でいいのか?」

「それは追々、君自身で判断すればいい」と厚治が横から差し挟む。「だが、さっきもこのちんちくりんが言った通り、君は超レアな当たりのパートナーを引き当てたと俺は思ってる。こいつとはそう短くない付き合いだが少なくとも、君を悪いようにはしない男だと俺は思ってるよ」

「強いしイケメンだしね! あとアツジはちんちくりんゆーな!」

 厚治の微笑と朝希の自信に満ちたドヤ顔を目にし、史香は一つ腹の中を決めるように大きく呼吸し、頭を下げた。

「ふ、ふつつかものですが、よろしくお願いいたします!」

 思わず脱力してソファから転げ落ちそうになるフェリクスと厚治。

「あ、あの! わたし、何か変なこと言っちゃいました!?」

「いーや、面白い子だなって」

 そうしてフェリクスは握手の手を差し出す。武器を握り続けて、傷つき硬くなった手。

 史香も手を差し出す。互いをパートナーと認める契となった。

「さて、ここからは大人同士の難しい話をするから、お二人はラウンジでジュースでも飲んできなさい。阿波野さん、案内してあげて」

「お菓子もありますよー」

 司の案内で阿波野がドアを開けて二人を連れて部屋を出ていく。「さて」と司は居住まいを正して、改めてフェリクスと厚治に向き合った。

「さっき、『他の人間からも守って欲しい』って言ったな、あんた」

 厚治が問うと、司は大きく頷いてみせて話を始める。

「彼女の名前……國中という名字にどこかで聞き覚えは無いかい?」

 フェリクスと厚治が互いに顔を見合わせると、フェリクスの方が答えた。

「國中……だろ?」

「そう。彼女は國中前首相のご息女であらせられるよ」

 國中慎一郎。東京オリンピック開催を推し進めていた総理大臣だ。今は新国立競技場の瓦礫の下に埋まっていることだろう。

「でもよ、たしか國中慎一郎には子供がいなかったはずだが……」と厚治。

「あと嫁が大麻やってたな」フェリクスがどうでもいいことを付け足す。

「正確には彼女は養子だ。國中一族の遠縁の一般家庭の子だったけど、〝7・24〟を機に國中家へ引き取られた」

「誰が……?」フェリクスが最もな疑問を問う。

「國中聖一郎」

「國中の親父の方かよ。もうとっくに政界は引退してたはずだろ」

「公には、っていう話だけどね」

 つまりそれは秘密裏に今の政界に影響を及ぼしていると言っているようなものだった。

「っていうか、九十近いヨボヨボじゃねえか。そんなんでまともな判断できんのかよ」

「できないから、こんな無茶苦茶なことをやってるんだよ」

「老害が……」フェリクスが呻く。

 天井に視線を向けて思索していた厚治が口を開く。「そもそも政治屋どもの皆さんは、どうして國中史香を遠縁の一般家庭からわざわざ引っ張り出して来たんだ?」

「神輿にするためだろうね」司が答えて、言葉を続ける。「死んでもらえば護国の英霊で悲劇のヒロイン、生き残れば救国の英雄で現代のジャンヌ・ダルクとでもして彼女は讃えられるだろう」

「何考えてんだどいつもこいつも。まだ十歳そこらの子供を政治の道具にしてるつもりかよ……!」

「つもりじゃなくて、現与党の時代遅れのジジババどもにとっては、彼女は道具そのものなんだよ」さしもの司もこれには深い溜息と共に吐き捨てた。

「その上、政府は彼女の身元をマスコミに明かそうとしていた。ま、そこに関しては私の知り合いに握り潰してもらったから心配無いよ」

「……同調圧力をかけるつもりかよ」

 オブジェクターもエフェクターも〝基本的には〟志願制だ。だが社会において「せっかくの素質があるのに志願しないとは何事だ」という眼差しがある。特にこの国においてはそれが顕著であることは、オブジェクターとして〝志願させられた〟フェリクスと厚治は身を以て知っている。

〝7・24〟の悲劇で身罷られた前総理大臣の娘が東京奪還のために立ち上がる。これほど感動的なシナリオは無い。最早ポルノだ、と二人は胸の内で唾棄した。

「……老人の妄執だよ」フェリクスが呻く。

「そこで、慈悲深い私はここで一計を案じてみた」と司は口の端を釣り上げてみせた。「自分で言ってんじゃねえ」とフェリクスが言葉を挟む。

「実は彼女、國中史香は別のオブジェクターの元に就く予定だったんだ。しかも場所は東京西部方面」

〝7・24〟の影響が最も深刻とされている新宿とほど近い西部方面は最もタスクフォースの犠牲者が多い。どうやら本気で政府は、この国の運営者たる老人は権謀術数のため子供一人を殺す気だった。

「あんまりにもあんまりだったんでね、ちょっと西部方面の偉いおじさんたちや与党のジジババどもと〝お話〟をしてね、色々と条件をつけて史香ちゃんの身柄をこちらで引き取るようにしたんだ」

 フェリクスと厚治が低く呻いた。あまりにも身勝手な大人たちの都合で、その命と人生まで弄ばされている國中史香という少女。

「しかしどうやってそんな条件を取り付けられたんだ?」と厚治が問う。

「だって、相手は叩けば埃が舞い散らかるような連中ばっかりじゃないか。あはは」

 司が妖しく口の端を釣り上げてみせるが、その目は生硬く笑っていない。さしもの二人も怖気を感じずにはいられない嗤いだった。

「それが、あの子を俺のパートナーにつけた理由か。でも俺が首を斜めに振らなかったどうするつもりだったんだ」とフェリクス。

「君が私の指示に従いたくなるような材料はいくらでも用意できるよ」

「てめぇ……」

「とはいえ、私だって君相手にそんな荒っぽい真似はしたくない。自分で言うのも何だけど、互いの人間性の好悪は別として、仕事上ではそれなりの信頼関係を構築できていると思っている。せっかく築き上げたその信頼をフイにするような手管は積極的になれないよ。……葉月くんは喪った悲しみを知っている男だ。そしてそれを糧に出来る人間であると私は君を信じているよ」

 さて、と司は話題を切り替える。

「では改めて指示を出そう。オブジェクター・葉月フェリクス、君には國仲史香をパートナーとし今後の行動を共すると同時に、彼女の保護に全力を挙げて欲しい。喜屋武厚治と東雲朝希はそれに協力をするように」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る