第73話 お化け屋敷ゲーム
第一ステージをクリアして、次のステージへ進む。
お客さんがそんなにいないのか、次のステージの部屋が空いててすぐ入れる。
待合の前室はお化け屋敷の仕様になっているので、ここで待たなくて良かったなと思う。
第二ステージは
『妖怪ポコ活』
今度のアイテムは、小さなピコピコハンマーだ。
これも可愛い妖怪か…と思っていたら、突然のリアル!
上から下から横から、突然現れて驚かされる。
藍田は「ギャー!!」とすごい悲鳴。
さっきのキャーと違って、お世辞にも可愛いとは言いがたいけど、笑っちゃうくらい怖がってる。
目を
でも全然当たってない。
ここは俺が頑張ってほとんど全部ピコピコ当てた。
クリアした時の藍田は全力疾走した後のようだ。
また待ち時間無く次のステージへ進む。
第三ステージ
『かくれんぼ』
説明のアナウンスが入る。
『受信器のバンドを手のひらに巻いてください。オバケが7体隠れていますので、探して見つけてタッチしてください。』
今度は俺達が探すのか…。
自分達が探す側なのに、オバケを見つけたらすごくびっくりする。
箱の蓋を開けたり、扉を開けたり。
最初の可愛さは何だったのか?っていうくらいオバケがリアルで、藍田の探す手も震えてる。見つけると「ギャー!」と言って目を
どう見ても
こういう反応は
でも、俺も叫んでしまうくらいのリアルなのだ。
7体見つけてクリアできた。藍田はさすがに見つけてもタッチは一つもできなかった。
「触るの絶対無理!」だそうだ。映像だから、感触は無いんだけど。
第四ステージ
『火の玉シューティング』
説明のアナウンスは、
『火の玉が飛んできますので、アイテムのレーザー銃で撃ってください。
オバケも出現しますが、オバケを打つと火の玉が増えるので気を付けてください。』だ。
俺:「シューティングゲームなら任せて!」
俺が順調に火の玉を打つ。
藍田も火の玉ならと、頑張って打つ。
火の玉はユラユラ動いてついたり消えたりするので、案外難しい。
ヒットすると“ボシュッ”と音を立てて燃え尽きる。
少ししたらオバケが出現して目の前に迫ってきたりして邪魔をする。
藍田はまた“ギャー!”と叫んでオバケを打ちまくる。
藍田がオバケを打つ度にどんどん火の玉が増える。
そのシステムを理解してなかったのか?恐怖でパニックなのか?
俺は楽しいけど…。
俺:「オバケ打っちゃうと終わらないよ。」
藍田は“あっ”という表情をして打つのをやめる。
結局俺がほとんど打ってクリアする。
第五ステージ
『ちからくらべ』
部屋の左手に腕相撲マシーンがあり、スポットライトで照らされている。
まずはこれか。
もちろん俺が腕相撲する。
腕相撲マシーンを握り、スタンバイすると
『3、2、1』とカウントダウンがある。
『ゴー!』と同時にスポットライトが消え、腕相撲の相手がゾンビになる。
また藍田が“ギャー”と叫ぶ。
やってるのは俺なんですが…。
腕相撲はすごく軽くて楽勝に勝てる。女性でも子どもでも勝てそうなくらいだ。
次は中央にスポットライトが当たる。
ロープが何本か置いてある。
その場所に行くと
『綱を1人一本握り、カウントダウンの合図で引いてください。綱引きです。』
とアナウンスがある。
俺も藍田もロープをそれぞれ持って構える。
『3、2、1、ゴー!』
の合図で同じくゾンビが出現し、ロープを引くと俺達に勢いよく覆いかぶさってきた。
俺はなんとなく予想していたけど、藍田はやっぱり“ギャー”と雄叫びを上げて尻餅をつく。
ロープを引く場所にはマットが履いてあって転んでも痛くないようになっているけど、藍田は少し腰が抜けた感じになった。
俺は藍田の手を引いて立ち上がるのを手伝う。
藍田はよろけておれに抱きつくような感じになった。
コレコレ!これぞお化け屋敷!
藍田のいい匂いがさらに俺をキュンとさせる。
次は右手にスポットライトが当たる。
壁があり、そこに『押せ』の文字がある。
俺と藍田は2人で一緒に壁を押す。
それと同時に押してる壁一面にゾンビがたくさん写し出される。
藍田はまた“ギャー”と叫んで、顔を斜め下に向けてゾンビを見ないようにして壁を押す。
最初少しだけ力がいったが、すぐに壁は後ろへ下がる。
すると右側に出口が出現した。
これでクリアだ。
俺達が出ようとした瞬間、上からゾンビが出現する。
また叫んで、藍田が俺に思わずしがみつく。
さっきよろけて抱きついてきたのがあったからか、俺への壁が少し無くなってきた感じがする。
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