第20話 第四・五ステージ

 『プレイヤーの攻撃』


 俺達は1回目の攻撃と同じく、杖を回して振り下ろし、アユタも雷剣で攻撃する。


 スリーヘッズンのHPは後1/4といったところだ。


『スリーヘッズンの攻撃』


 スリーヘッズンはまた火を噴きながらグルグルと頭を回してアバターを食べに来たので、そのタイミングで横に走って動く。佑と俺は両端だったから離れる感じで逃げて食べられなかったが、アユタは真ん中にいたので間に合わず、違う龍の頭に食べられた。


 アユタ:「あー!痛っ!オレだけがぁ!」

 アユタは1人だけ食べられた悔しさと、体に受ける衝撃で、ショックは大きい。


 アユタのHPだけが大きく下がり、残り1/3ほどになる。


『プレイヤーの攻撃』


 前回と同じ、俺達の攻撃でスリーヘッズンは倒れ、そして消えた。


 『プレイヤーの勝利!

 12,000コイン獲得!』


 俺:「勝ったー。このステージは案外簡単だったな。」

 佑:「うん、HP減らなくて良かった!」

 アユタ:「あーあ、俺だけ食われた。くそー。」

 俺:「立ち位置も考えればよかったけど…ごめん。」

 アユタ:「いいよ、それはしょうがないさ。」


 俺:「今度はオレが真ん中でやろうか?」

 アユタ:「いいのか?なんかあっても“場所代わったせいで”とか言わないよな?」

 俺:「そんなこと言うやついる?オレはそんな心狭くない。ただ、真ん中ちょっと恐いだけ。」

 佑:「分かるー。真ん中って、勇気いる。」

 俺:「ごめんなー、今までアユタばっかり真ん中にさせて。」

 アユタ:「いや、それはそれでよかった。…やっぱこのままオレが真ん中でいいよ。」


 俺:「次1回だけ俺真ん中いくよ。で、その次からまたアユタ真ん中に戻って。あと何ステージあるか分かんないけど。」

 アユタ:「うん、じゃあそれで頼む。」


 アユタは少し気分が落ちてたけど、切り替えて次へ進む。


 次の部屋へ入る。


『敵の出現!』


 シルバーの熊が出現する。


『第五ステージ : メタルベアート 属性〔金〕』


 俺:「五行の図からいくと、金に強いのは火だな。」

 アユタ:「オレの“火”は…“火打ち石”か、“ガスバーナー”か。使えるか?“ガルガーノの剣”にしようかな。」

 佑:「オレの“火”は“蚊取り線香”か、“チャッカマン”だけ。さすがにダメだね。“水龍の杖”かな。あと、“防御マント”で防ぐ。」

 俺:「オレは…全く無いなぁ。“空気砲”にしてみるよ。“チェストプロテクター”はそのままで…それと、“星に願いを”今使っとく。」


 俺は“星に願いを”でHPを回復する。


『プレイヤーの攻撃』


 3人はそれぞれのアイテムでメタルベアートに攻撃する。

 アユタのガルガーノの剣は全く効いてない。

 佑の水龍の杖は少しだけ効果あり。

 俺の空気砲も若干効いてる。


 3人の攻撃で敵のHPが下がったのは1/8くらいだ。


 俺:「全然ダメだな…。メタルベアート、どんな攻撃してくるかな?」

 佑:「あんまり強いと、俺困る。」


 アユタ:「多分、クマなら顔狙ってくじってくるんじゃないか?」

 俺:「そうだ!多分、右手で顔を狙って攻撃してくる!」

 佑:「なんでそう思う?」

 俺:「昔、ばあちゃんが言ってた。クマはまず顔を狙ってくるから、って。本当かどうかはわからないけど。」

 佑:「そういえば、初級ラスボスのクマも顔辺りを引っ掻いてきたもんね。」


 アユタ:「じゃあ、また逃げてみよう!」


 アユタは敵に向かって左側にいるので左側へ、真ん中の俺と右側の佑は右側へ逃げることにした。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る