第17話 第二ステージ

 第二ステージの部屋へ入る。


 入り口の鍵が閉まり、俺達は引かれてる線の前に立つ。


『敵の出現!』


 前方に敵が現れる。モクギュルと同じくらいの大きさの、白くて丸い形の服を着た女性だ。

 怒った目をして、黒い霧のようなものを吐く。

 綺麗系だが、かなり恐い。


『第二ステージ :スズラーノ  属性〔水〕』


 その後にまた五行のマークが表示される。


 俺:「めっちゃ恐い。ちびっ子なら泣くよ、絶対。」

 佑:「オレもちょっとムリ。それに女性とか、やめてほしい。いくら恐くても攻撃しにくいなぁ。」

 アユタ:「なら、オレが攻撃する。お前ら攻撃は、なんかできそうなアイテムで、防御だけしっかりしとけ。」


 俺:「じゃあオレ、“空気砲”にする。防御アイテムは…“チェストプロテクター”かなぁ。要するに、胸当てだよね。」


 佑:「オレはまず、“防御マント”で防御して、武器は…“ピコピコハンマー”でいいや。」


 アユタ:「五行では“土”が強いけど、それっぽいアイテム無いから、オレはこのまま“ソード”にする。」


 俺と佑の装備の変更はオッケーだ。


『プレイヤーの攻撃』


 俺は大砲のような空気砲を持っているので、鉄砲を撃つような仕草をしてみる。

 すると、ドンッと空気砲が発射され、スズラーノにヒットする。


 佑はピコピコハンマーなので、攻撃しても『ピコッ』ていうだけ。


 アユタはソードを上から振り下ろす。ヒットはした。


 1人ピコピコハンマーだからか、スズラーノのHPは1/5程度しか下がらない。


 アユタ:「ダメか…。空気砲は良さそうだけどな。」

 佑:「ごめん。」

 アユタ:「いや、優しいのが佑のいいところだからな。気にするな。」

 佑:「ありがとう。」


『スズラーノの攻撃』


 スズラーノは口から黒い煙のような毒を吐く。


 俺達は体にビリビリッとした痺れのような刺激を受ける。


 俺:「なんか、地味な感じで痛い。毒系にはチェストプロテクターはやっぱ効かないかぁ。」

 アユタ:「うん。でもさっきのドンッていう衝撃よりマシかな。」

 佑:「オレも。マントじゃダメだ。

 …マスクなら毒の防御できるかなぁ?」

 アユタ:「うんマスクだろうな」

 俺:「いいなぁ。」


 佑は防御アイテムを“マスク”に変更する。


 俺達のHPを確認すると、3人のHPは1/3まで下がっている。

 そして皆“少し痺れた”と出てる。


 アユタ:「このままじゃダメだな。水か…よし!“雷剣”にしてみる。雷は水に強いはず!」


 アユタは“ソード”から“雷剣”に変更する。


 俺:「痺れって何か影響あるかな?」

 アユタ:「分からん、やってみないと。」


『プレイヤーの攻撃』


「いくぜ!」

 俺達は、またそれぞれの武器で攻撃する。


 アユタは雷剣を上から振り下ろす。

 アバターは痺れているからか、少し鈍い動きで雷剣を振り下ろすが、ドーンという音と共に、剣から稲妻が出てスズラーノに直撃する。

 割といい感じだ。


 俺はやっぱり少し痺れているからか、あまり攻撃が効いてない。


 スズラーノのHPはいきなり半分まで下がる。


 アユタ:「やった!雷剣効いた!ちょっと痺れてたけど、これならいける!」


『スズラーノの攻撃』


 スズラーノは口から黒い毒霧を吐いた後に、手に持ってる草でムチのように攻撃してくる。


 俺:「ヤバい!オレ、“毒霧で痺れて動けない”って!」

 アユタ:「オレもだ!HPも1/5になった!」

 佑:「ごめん、オレだけほぼ無傷。そしてさっきのしびれからも回復した。」

 俺:「もちろんいいけど…“薬草”だな。」

 アユタ:「そうだな、それしか無い。」


 俺とアユタは薬草を使う。

 痺れは取れ、HPも2/3まで回復した。


 アユタ:「よし、次は俺達だ!」


『プレイヤーの攻撃』


 俺達はまたそれぞれの武器で攻撃する。

 アユタの雷剣は、痺れが取れたおかげでさっきよりすごい稲妻が出て、それがかなり効いて、スズラーノのHPがゼロになる。

 スズラーノは倒れ、そして消えた。


 横のスクリーンに

『プレイヤーの勝利!

 7,000コイン獲得!』

と表示される。


「やった!」

 全員で喜んだ。


 そして、敵の後側の扉が開いたので、次の部屋へ向かう。



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