エピローグ
久しぶりの外に、七人全員がそろった。どうやら、願いを叶えてもらったのは俺と零くんだけだったらしい。麗さんと涼祐くん、斗貴くんは、このゲームを通して願いが叶ったから、竜成くんと紅さんは、今が一番良いと感じたからだそうだ。いつの間にか、雪になっていたドライアイスで雪合戦をしていると、坂の上から車が降りてきた。
「皆さん、お待たせしました。準備の出来た人から、車に乗ってください」
持主さんがそう言うと、一斉に車へ向かって走り出した。
「皆さん、到着しました。この後は、それぞれ家に帰ってください。ちなみに今は、三月二二日の午前六時ですので、学校がある人は急いだ方が良いですよ」
持主さんがそう言うと、零くん、麗さん、竜成くん、紅さん、涼祐くん、斗貴くんはそれぞれ、走って家へと向かった。全員が見えなくなったのを確認すると、
「零麗さんも学生なんですから、後は俺に任せて二人の後を追ってください」
そう言うと、一瞬驚いたような顔をしてから笑顔で零くんと麗さんの後を追っていった。
(そういえば、どうして蒼くんは僕と零が兄弟って気付いたんだ?それに、あの家までの行き方も知らないはずなのに、どうして俺に聞かなかったんだ?・・・まあいいか)
俺は、兄妹に追いつくために走り出した。
(あの日からもう一年か・・・。みんな元気にしてるかな?)
壁に掛かっているモニターに映っている、今年の挑戦者を眺めながら、一年前のことを思い出していた。モニターに映っている七人の顔を、事前に渡された資料に目を通しながら確認する。
(えーと、名前が・・・橘零麗と橘零、橘麗、闇島竜成、対馬紅、甲斐涼祐、興津斗貴・・・)
名前を確認し終えると、ちょうど七人が家の中に入ってきた。俺は不気味なサイレンを鳴らしながら
「皆さん、こんにちは。私は、家野持主三世。これから、皆さんには五つのゲームを行ってもらいます。誰か一人でもクリア出来たなら、皆さんの願いを叶えます。それでは、これより第一ゲームを開始します。皆さんから見て、右側の扉の先にある部屋でお待ちください」
放送を終えると、モニターに目を移した。
「零、麗。頑張ろうね」
「うん。にれ兄もね」
「お兄ちゃん、移動するよ」
「紅、置いてかないでよ」
「竜が遅いだけでしょ」
「とっきー、行こう」
「うん」
七人の楽しそうな会話を聞きながら、全員が部屋に入ったことを確認すると、扉を閉じ放送を始めた。
「これから、第一ゲーム人狼鬼ごっこのルール説明を始めます」
そう言い、ルールを読み上げ放送を切った。
「それでは、第一ゲーム人狼鬼ごっこ、スタートです」
開始の合図をして、マイクを切ってからつぶやいた。
「みんな、頑張って」
持主の零麗 U朔 @SsssssS0401
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