振り返り

第一ゲーム後。

「ここしかないか。仕方ない」

自分に言い聞かせ、扉を開ける。その先には、何台ものモニターと六脚の椅子、そしてこの建物の見取り図のようなものが壁一面に貼っていた。

「この部屋は・・・。なっ、これは・・・」

目に入ったモニターには、六人が第二ゲームを行っている様子が映っていた。

「みんなが頑張っているのに、俺だけ何もしてないのはおかしいよな」

そうつぶやき、壁に貼ってあった見取り図を剥がし始めた。

「ふぅ。やっと終わった」

全て剥がし終えると、見取り図によって隠されていた扉が現れた。

「よし。行くか」

自分に言い聞かせ、扉の向こうへと足を踏み入れた。

 扉の向こうには何もない白い通路があり、その先には出てきた扉と同じ扉があった。

「また扉だけしかないのか・・・」

少し落ち込んだ気持ちで扉に向かって歩き出そうとしたとき、天井から人が落ちてきた。

「紅、いる?」

「竜、無事?」

「うん。それよりもここは・・・」

落ちてきた二人のきれいな受け身に感動しながらも、近づき声をかけた。

「二人とも無事で良かった」

急に声をかけたせいで少し驚いたような動きをしてから

「無事・・・です。えっと、確か相馬蒼さんですよね。それよりも、ここはどこなんですか?」

と質問を返された。少し考えてから、

「ごめん。俺もよく分からない。でも、この先の扉の向こうに何かがあるのは分かる」

そう言いながら、扉を開けた。

 扉の向こうは、さっきまでいた部屋と全く同じだった。壁にはモニターと見取り図が、床には七脚の椅子があった。

「少し待ってて」

そう言うと、再び壁に貼ってある見取り図を剥がし始めた。

数分後、見取り図を全て剥がし終えると、同じようにドアが現れた。

「二人とも、待たせてごめんね」

そう言うと、二人を連れて扉の向こうへと足を踏み入れた。


 扉の向こうは、予想通り真っ白な廊下と反対側の扉だけだった。扉に向かって歩き出そうとすると、上から三人が落ちてきた。

「痛っ。ここは・・・」

「麗さん、無事ですか?」

三人中二人はすぐに目を覚まし、会話を始めた。一方、斗貴くんはまだ目を覚ましていなかった。


 「ここは・・・どこだ?」

斗貴くんが目を覚ましたのは、二人が目を覚ましてから一時間後だった。いち早く斗貴くんの目覚めに気付いた涼祐くんは、斗貴くんの元へ駆け寄り

「とっきー、大丈夫?」

状態確認をした。

「涼?それにみんなも・・・無事だったんだ」

みんなの無事を確認すると、溢れ出しそうになっている涙をこらえながら、素早く立ち上がると今の状況を話し出した。


 「ということで、おそらくこの扉の向こうにも何かがあると思うから、気をつけてね」

話が終わると、六人でそろって扉の向こうへ足を踏み入れた。


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