第14話 部活終わりの仲良し5人
あお「終わったー!!」
明里「おつかー!」
瀬奈「帰ろ帰ろっ!」
あお「あでも今日の帰りバスだった・・・」
瀬奈「またあおっちのおじさんが運転してるの?」
あお「うん。なんかさっきたっくんが「高校17時34分発の天川大野駅行・実質上の方南車庫行回送」が、愛央のおじちゃんが運転するバスだって言ってて。今日はたっくんから帰りのバス代分お金もらったからそれで帰るの」
瀬奈「うちらもお金あるしそれ乗る?」
明里「ありあり!ちなみにいくら?」
あお「たっくん曰く、方南車庫までなら210円、うちの家の最寄りで降りるなら180円だって。初乗りは150円だからちょっと高いかもね」
瀬奈「愛央ってたくみさんに似てるよねー」
明里「それなー。電車とか乗る時助かるよ!」
あお「でもたっくんに比べたらまだまだだよ。うちたっくんみたいにガチ勢じゃないし」
瀬奈「あ、そうだ!」
あお「なに?」
明里「せなっちどうしたの?」
瀬奈「たくみさんを応援してあげない?」
あお「たっくんを?」
明里「どうして?」
瀬奈「うちらの差し入れしてくれるし、かっこいいからさ、たまには部活の練習の成果見せてあげようよ」
あお「今日うちのたっくん寝てるかも・・・もしかしたら明日朝まで起きてこないかなぁ」
瀬奈「寝てるの?」
あお「仕事ないとき夜ご飯作ったりしてくれてるけど、今日はなんか寝るかもって言ってた」
明里「大変だねー、たくみさんも」
あお「朝4時からご飯作ってくれるからね。たっくんもそう万能じゃないし、疲れてる時はバイトも行かないで寝ちゃうよ」
明里「起きてることを祈ってバス停へ行こー!」
あお「でももう着くでしょ?うちら話しながら歩いてたんだもん」
瀬奈「それな!あ、バス停ついたっぽいね。このバスかな?」
あお「うん!おじちゃーん!」
紅野「おぉ、お疲れ様。あれ、そちら様は?」
あお「うちの友達!」
瀬奈「こんにちは!瀬奈です!」
明里「明里です!」
あお「それでこの人がうちのおじちゃん!」
紅野「はじめまして。伯父の紅野です」
瀬奈「よろしくお願いします!」
あお「ねぇ、おじちゃんさっきたっくん見た?」
紅野「あー乗ってきたよ。16時10分発琴乃本社前経由方南車庫行にあいちゃんと2人で。なんか寝るつってたわ」
あお「えっ!?」
紅野「多分あいちゃん寝かしつけたんじゃない?さっきもバス動いてる時にあいちゃんがぐずったりしてたから」
あお「LINEしたほうがいい?」
紅野「さっきあとで家行くよーって言った時は起きてたから多分起きてるはずだよ。この車しまったら家行くからそん時まで起きててくれれば助かる」
あお「おっけー。そろそろ時間じゃない?」
紅野「おっ、もう時間か。お待たせしました。大野駅行、まもなく発車します」
瀬奈「意外と新しいね」
あお「この前検査通したばっかだからピカピカのはずだよ」
明里「あか、たくみさんに肩揉みしたいなぁ・・・」
あお「でもたっくん肩がすっごい硬いから自分で揉んでるって」
瀬奈「そうなんだね」
あお「うちも肩揉みたいって甘えるとき絶対揉ませてくれないからね。愛央の力じゃ揉めるわけねぇだろがっていうから」
紅野「たくみくんはそういうところが固いからね。しょうがないと思うよ」
あお「それな!あねぇねぇ、このバスって大野駅とかでお客さん乗る?」
紅野「分からんけど、乗らないんじゃない?」
あお「大野で乗って来なかったら直行しちゃお!」
紅野「迂回ルートか。いいよ」
あお「やったぁー!」
瀬奈「でもどうして迂回ルートを?」
あお「このバス、乗った時に気付いたと思うけど、実は大野駅まで定期便なの。言い換えれば、天川大野駅までは通常ルートだけど大野駅で乗る人も降りる人もいなければ、回送になるから実質うちらの貸切。たっくんとあいちゃんはさっき普通の方南車庫行だったけど、34分発は大野止まりという裏技によってルート変更ができるの!」
瀬奈「すごい」
紅野「大野でも乗ってこなさそうだね。一応ロータリー入るけどお客さんいなかったら行っちゃおうか」
あお「うん!」
あお「もう着く?」
紅野「うん着くよ。お?あれたくみくんじゃん。洗濯物しまってるよ」
あお「起きてた」
瀬奈「よかったー」
紅野「3人で180円にしておくからいっておいで」
あお「うん!あとでねー!」
紅野「はいよー」
あお「いこいこ。5階に多分いるはず」
瀬奈「たくみさん大丈夫だよね」
あお「ただいまー!」
たく「おぉ、帰ってきちょまて、なんでおるんや」
瀬奈「お疲れ様です!」
明里「あいちゃんは今何してますか?」
たく「あいちゃん今イヤイヤ期で寝込んでる」
あお「寝込んでるって?」
たく「今しがた寝始めたよ。泣いててさ、あじしようかなって思ったんだよな」
あお「えっ、泣いちゃってたの?」
たく「俺が離れるとずっと泣いてた。さっき寝た頃だけど心配やからあいちゃんのおでかけベッドダイニングに置いてあるしな」
あお「たっくん、またぐずってる」
たく「まじか。ちょっと抱っこしてあんたらきたよって言ってやらんとな」
あお「たっくんも大変だね」
瀬奈「応援する余裕無さそうだね・・・」
明里「2人とも何言ってるの?うちら、方南高校のチアリーダー部でしょ!頑張る人を応援するのがチアリーダーじゃないの!?」
あお「あかの言う通りだね。あいちゃんを起こさないように、たっくんのこと応援しよっ!」
瀬奈「うん!」
あお「制服で応援する?」
瀬奈「そうね」
明里「うち、今日の朝にチアのユニフォーム洗っちゃったから・・・」
あお「そしたら愛央、着替えてきていい?」
瀬奈「いいよ!」
たく「あれ、愛央どこ行った?」
瀬奈「着換えに行っちゃった」
たく「参ったなあ、あいちゃんが愛央探して泣いてたからさ」
あお「ごめんお待たせ!あれ、たっくんどうしたの?」
たく「いた。あいちゃんが泣いてたぞ」
あお「えっ!?」
たく「お姉ちゃんがいないって泣いてたよ」
あい「うわああああん!!!」
あお「あいちゃん・・・」
たく「行ってきな。俺はメシ作るから、愛央があいちゃんの横にいてやって」
あお「うん!」
あい「びええええん!!」
あお「あいちゃん!!」
あい「きゅぴ・・・」
瀬奈「あおっち、忘れ物!」
あお「ポンポン持って応援するのに忘れちゃ大変だね。ありがとっ。瀬奈!」
明里「あいちゃーん。お姉ちゃんたちの中で、誰が好き?」
あい「きゅぴ・・・」
瀬奈「せなお姉ちゃんがいい?」
明里「あかりお姉ちゃんだよね」
あい「あいたん、あーあーしゅき!」
あお「ってことは、私!?」
あい「あい!ぎゅー」
瀬奈「やっぱ愛央には叶わないね」
明里「お姉ちゃん大好き?」
あい「あーいー!」
あお「あいちゃん!大好きっ!」
瀬奈「そしたらうちらもう帰るね」
あお「うん!ありがとう!」
明里「ばいばーい」
あお「おっきくなったね!」
あい「あい!」
たく「もしかして泣きやんだ?」
あお「うん!」
たく「よかったぁ・・・さぁ飯作るか・・・」
あお「たーっくん、がんばれっ♡」
たく「お、おう・・・」
あお「あれこんなこと言ってたらあいちゃんどっか行っちゃった」
あい「たーたー、ねむいー」
たく「あら。じゃあねよっか」
あお「たっくん、あとでチアやらせてよー」
たく「部活でやっただろ」
あお「えへへっ。いいじゃん!愛央がいっぱい応援してあげるから!」
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