ACT.25 『お正月だよ!起動警察レヴルージュ結成秘話!!』





2025年 元旦


彩聖邸付近


冬の空気が冷たくて、息が白くなる。まだ、路面には溶けかけた雪が残っている。その上を歩く二人の少女は、新年に相応しい着物姿だった。彼女たちは手に持ったコンビニ袋が揺れるのを見ながら、笑顔で話していた。


「今日はお正月だから、特別お菓子を買ってきたよ」


「ありがとう、万理架。どんなお菓子が入ってるの?」


「ふふっ、それはお楽しみだよ。彩聖は何か買ってきたの?」 「うん、お餅とお汁粉。これでお正月らしくなるね」


二人は竹飾りが飾られた彩聖宅に入った。リビングには鏡餅が置かれていて、こたつの上にはみかんが並んでいた。彼女たちは靴を脱いで、こたつに入った。


「あぁ、暖かい」 「気持ちいいね」


二人はコンビニ袋からお菓子を取り出した。チョコレートやクッキー、ケーキやプリンなど、色とりどりのスイーツがテーブルに並んだ。


「わぁ、すごく美味しそう」 「さあ、どれから食べようかな」


二人はお菓子を手に取って、口に運んだ。甘くておいしいスイーツに二人は幸せそうな顔をした。


「申し遅れました」 「あけましておめでとうございます」 「今年も機動警察レヴルージュをよろしくお願いいたします」


二人は同時に言って、笑った。


「それにしても」

「あの時、馬堀海岸3丁目の交差点で出会っていなければ」


「彩聖のオレンジ色の自転車がパンクして、困って泣いていたんだよね」


「そうね、万理架が素早く修理してくれたんだよね」


「その後、二人で意気投合して、シフォン・カフェに行ってさぁ、レヴルージュに応募したんだよね」


「まさか、二人とも採用されるとは思わなかったよ」


「運命だったんだよ」

「きっと」


「うん」



ACT.31 『お正月だよ!起動警察レヴルージュ結成秘話!!』終


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る