ACT.22 『アルテミスなんて大嫌い!』



もう、アルテミスなんかに乗ってやるもんか。私の脳裏に、そんな言葉が浮かんでしまった.......。

さすがにそんな事は、口に出せなかった。しかし、それが本心だった。

でも、そんな気持ちになったのも、ちょっとした出来事であったからこそだ。

それは、アルテミスの操縦訓練を終え、部屋で休んでいた時のことだ。この部屋の小窓からアルテミスの整備ブロックが見えるのだが。ベットから起き上がった時に、ふとアルテミスに目が行った。


そこに、オペレーション帰りの早瀬が現れたということだ。

早瀬は、軽々しくアルテミスに触り、

跨った...。


アルテミスもアルテミスだ。

生体認証されて、私以外には操縦できないはずなのに。エリートコースを進んだ早瀬には、曲がりなりにも上手に操縦させていた。楽しそうに燥いでいた早瀬が嫌だった。


そんな光景が、私には許せなかったのだ。

私以外には、アルテミスに触れる事も許せなかった。


私のアルテミス、

私だけのアルテミス1号機...。


どこにも行かないで...。


お願い、アルテミス。



ACT.24 『もう乗らない。アルテミスなんて大嫌い!』終



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