ACT.21 『ペンダントの中の笑顔。彩聖に母のぬくもりを!』
foris=foliaa S地区
「今日も雨か...」
「アルテミスをすっ飛ばすのも、雨だと大変なんだ。幾らトラコンが効いてても、危なっかしくてね」
「なんと言うか、馬力がありすぎるんだよ。この子は」
万理架が愚痴をこぼす。
流石は、軍用スペシャル・スペックを誇るアルテミスだ。
その艶っぽい真っ白な外装に、雨がしたたり落ちた。
「フフフ」
「今日も任務遂行ご苦労様です」
彩聖が労を値切る。
「どうしたの。何か良い事でもあったの」
万理架が聞く。
彩聖が首を振った。
「違うんだ。逆だよ、逆。嫌なことがあった時は、このペンダントを覗くんだ。そうすると、不思議と気持ちが、とっても暖かくなるんだ」
「お母さんがそばにいてくれるみたいで..」
母のいない彩聖と万理架。
彼女らにとって、数少ない母との思い出の品。
「ねぇ、彩聖。わかってるよね」
「それ、二人の物。なんだからねっ!」
「わかってるっ」
「フフフ」
この所、元気がなさげだった彩聖に笑顔が戻った。
雨が止み、
夕陽の中、眩しそうな二人の姿。
ACT.21 『ペンダントの中の笑顔。彩聖に母のぬくもりを!』終
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。