ACT.12 『ケーキ作りは万理架におまかせ!』



彩聖宅にて

オリジナルのケーキ作りに精を出す彩聖あやせ万理架まりか


「カシャカシャ」

「よし」


感覚で創れる万理架は、ある意味天才だ。よっぽど味覚が優れているのだろう。

あっという間に一品出来てしまった。

チョコレートにシャインマスカットと使った意欲作だ。いつもの万理架とは逆に大人っぽい感じの作品が出来た。バランスが少しでも悪ければ、整わない。

それを感覚だけでやってのけてしまうのは、流石は万理架だ。


「彩聖は何を作るの?」万理架が聞いてきた。


「うーん、そうねぇ。よし、決めた!」

彩聖はキッチンに向かった。彼女はパンケーキミックスと卵と牛乳を混ぜて、フライパンで焼き始めた。焼きあがったパンケーキに生クリームとメープルシロップかかけて、仕上げにアルテミスの形をしたクッキーを乗せた。


パンケーキの上に乗った可愛らしいアルテミスが印象的だ。


理詰めで攻める彩聖

際立った味ではないが、彩聖の愛らしさが詰まった一品だ。


「できたよ!」

彩聖がテーブルに運んできた。


「わぁ、すごくかわいい!」

「私が作ったのより、全然すごいよ」

万理架が目を輝かせた。


「アルテミス、これからもよろしく。私たちを守ってね」

彩聖の愛らしさが詰まったケーキが、脳波を通じてアルテミスの気持ちに届いた事を二人は知らない。


「master...」

「This cake is good!」




ACT.13 『ケーキ作りは万理架におまかせ!』終




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