第13話 とりあえず一発殴らせろ‼︎‼︎からの人生の崩壊2回目


「「ただいま〜。照ぅ〜、茜ぇ〜、二人とも元気にしてたぁ〜?」」




「「へ??????」」




 職員室の入り口に死んだはずの両親が立っていた。



「おいおいママ。こいつら嬉し過ぎて言葉が出ないようだぞ。」

「そうみたいねパパ。何はともあれ元気そうで安心したわ。」


「ちょ、ちょっと待って二人とも飛行機の事故で死んだんじゃないの?」


「おいおいママ。こいつは俺たちに死んで欲しいそうだぞ。泣いていい?」

「そうみたいねパパ。私の胸を貸してあげるわ。」


「いや違うから。父さんと母さんが死んだって担任に言われたからそう思っただけで、生きててくれて嬉しいよ。」


「ちょっと待て。俺は一言も死んだとは言ってないぞ。」


「嘘だ。絶対言ってたって。」


「俺は両親の乗った飛行機が墜落したとしか言ってないぞ。」


「そ、そういえばそんな気がしないでもない気もする。ってかわざと勘違いするような言い方にしましたよね⁈」


「さぁ何のことだ?勝手に勘違いしたお前が悪いんじゃないのか?」


「ぐっっ。た、確かにでもなんかムカつくからとりあえず一発殴らせろ‼︎‼︎」


「お前っ、俺仮にも教師だぞ‼︎」


「と言うかずっと気になってたんだが、飛行機墜落してなんで生きてんの?」


「おいおいマm『そういうのいいから。』俺たちのキャラが……。質問に対する答えはお前たちに会いたk『だからそう言うのいいから。』なんか水面着陸がめっちゃうまくいったらしい。」


「へぇ〜。」


「自分から振っておいて全くお前は……はぁ。」


「恐縮です。そういや茜はどうしたんだ?」


「茜なら思考停止してるぞ。」


「お〜い、茜ぇ〜生きてるか〜い?」


「あっうん。おはようお兄ちゃん。」


「キャラ、バグってるぞ。あと今は昼だ。」


「うっ、そ、そんなこと分かってるわよ。」


「そういや父さんと母さんはなんで学校にいるんだ?」


「おいおいママ。ただ子供たちに早く会いたかっただけなのに、照は会いたくなかったんだとよ。」

「そうみたいねパパ。本当は校長のスーツ仕立てにきたとかそんなわけないじゃないの。」


「もういいから帰ってよ。あと、おかえり。」


「おかえり。」


「「ただいま。じゃあ用事すませたら一足先に帰るから。」」


「「はぁ〜い。」」


















 今俺は本日2回目の担任の目の前にいる。

 お弁当を届けにきたわけじゃない。

 ちなみに放課後で茜はいない。



「で、今度は一体なんなんですか?」


「落ち着いて聞け。いいな?」


「なんですか改まって。」


「……お前の両親が死んだ。」


「………………。」


「帰りに車に撥ねられたそうだ。」


「……さ、流石に2回目は騙されませんよ。」


「お前もう頭でわ分かってんだろ?ただ認めたくないだけだ。」


「………………。」

 そうか、俺の両親は死んだのか。

 あまり実感が湧かない。

 心が頭についてきていない。


























 音が消えた。


























 なんか先生が言ってるな。


 ってなんかこれ死ぬ感覚みたいだな。


 別に、もういっか。


 なんかもう……疲れた。



























「おい‼︎おい‼︎聞いてるのか照‼︎照‼︎」


「急に大きな声出さないでくださいよ。びっくりするじゃないですか。」


「お前大丈夫なのか?」


「大丈夫とは?」


「両親が死んで精神的に大丈夫かってことだ。あとお前自殺しようとしてる奴の目になっていたぞ。お前本当に大丈夫か?これからお前の妹の茜にも報告する予定なんだが……。」







 アカネ?あかね、茜、茜……そうだ今俺が死んだらあかねは一人になってしまう。

 そんなことには絶対にさせない。

 俺は守ると誓ったのに、自分だけ逃げようとしていた。

 なんて俺は愚かなんだ。






「自殺なんてするはけないじゃないですか‼︎」


 そうだ、茜を幸せにするまで死んでなんてたまるか‼︎



「おっ、いい目になったな。もう大丈夫そうで何よりだ。」


「と言うか生徒の両親が死んだ時の報告ってこんな軽い漢字で大丈夫なんですか?」


「大丈夫だろ。多分、わからんけど。あと面倒臭いから妹絵の報告よろしく頼んだわ。」


「よし、歯ぁ食いしばれぇぇぇ‼︎このクソ教師がぁぁぁ‼︎」





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