第8話 茜の一日

“照テルン”を堪能してからお兄ちゃんを起こすのが私の日課だ。

 最初は《天の声》が約束守ってくれたのか心配でビクビクしながらやってたけど、最近は安心し切ってこっそりお兄ちゃんのベットに潜り込んで一緒に寝てる時もある。

 いやぁ慣れって怖いわねぇ〜。


 そんでもって満足したら緩み切った頬を整えてからお兄ちゃんを起して、しばらくお兄ちゃんと談笑?をする。

 それが終わったらお兄ちゃんと会話できることに喜びを感じつつ、制服に着替えて食事。

 基本的に家事はお兄ちゃんがやってくれてるからもちろんご飯は手作りだ。

 たまに俺と一緒に食べてくれるのかって聞いてくるけどあれどう言う意図があるんだろう?

 むしろこっちが聞きたいくらいなのに………………はっ、もしかしてあれは遠回しなイヤイヤアピールだったの⁇

 どどどど、どうしよう。

 もしそうだとしたらイヤイヤ食事に付き合わせていたことになってしまって、鈍感な女として好感度が下がってしまうじゃない‼︎

 あっ……詰んだ。

 落ち着け、落ち着くのよ茜。

 まだ確定してるわけじゃないもの。

 いやでも、最悪を想定して対処方法を確立すべきよ。

 まずはお兄ちゃんの…………………………………。




 茜がシュミレーションしている間にちょこっと茜の家族について。

 先ほど、両親は何やってるの?と思ったそこのあなたはなかなか鋭い。

 2人の両親は有名なデザイナーで忙しく世界中を飛び回っているので今はお兄ちゃんと二人暮らしだ。


 ちなみに両親が忙しくなったのは茜が高校に入学してからで最初は2人がいるからと海外に行くのを悩んでいたみたいだけど、お兄ちゃんがいるから大丈夫と納得させた。

 そっちの方がアタックしやすいしね。

 お金は毎月かなりの額振り込んでくれてるし、2人の愛の巣となる予定の家も立派な一戸建てを用意してくれた。


 隣はマンションで、家具を家に運び入れてる時に偶然出会った彼氏持ちのおんn…………いえやっぱりこの話はまた今度にしましょう。

 っと伏線を張ってる間に茜のシュミレーションが終わったみたい。




 食事が終わったら先に私が家を出て学校に行く。

 いつも一緒に行こうとお兄ちゃんに誘われるけれど、わたしにはしなければならない用事があるので泣く泣く断っている。

 その用事とは学校とは逆方向に少し進み、後から出てきた兄を見守る。

 勘違いしないでストーカーじゃないわ。少し後ろから見守っているだけよ。

 これはお兄ちゃんのためなの。

 あのクソビッチな幼なじm……いえこれ以上はお兄ちゃんの口から伝えるべきね。

 とにかくお兄ちゃんが襲われないように(もちらん性的な意味で、)ちゃんと見守らないと行けないの。

 

 そして教室に着くと、なぜかクラスメイトが私の席の周りに集まってくるけれど、お兄ちゃんのことを集中して考えられなくなるので結構迷惑だ。

 昼休みはお兄ちゃんが作ってくれたお弁当を堪能する。

 放課後は行きと同じ様に少し後ろから見守る。

 ちなみに私たちは2人とも帰宅部だ。


 家に帰ってからはご飯を食べて、お兄ちゃんの入った残り湯を堪能して、お兄ちゃんが眠りについたらそぉっと忍び込んで寝顔を眺める。






《あとがき》


 次話に久々の兄妹揃っての登場です。。

 どうも“妹が欲しい不眠症”です。

 読んでいただきありがとうございます。

 もう少しで全面戦争ができそうです。







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