第4話 全面戦争……の前に俺が茜に嫌われた経緯について
俺は全面戦争以前に茜に嫌われた原因についてまだ謝罪してないんだよなぁ〜。
また今度また今度って繰り返してるうちに7年もずるずるひきずっちまってんだよ。
と言う訳でやっとこの話をする時が来たようだ。
俺が嫌われたその原因について。
前はお預け食らわしちまったもんな。
悪かったって。
というわけで小4まで時は遡る。
茜が塩対応になるちょうど1年前だな。
小4の頃から茜は可愛かった。
近所のおばさんには美男美少女兄妹なんて言われていたけれど、俺はおまけだったんだろう。
自虐はどうでもいいんだが、とにかくそんな超絶美少女に数多くの男子が好意を寄せるのが世界の理というものだろう。
すると当然女子からのヘイトは少しずつだが確実に溜まっていく。
そんな中、事件は起きた。
男女両方から絶大な人気を誇り、クラス内カーストの上位に君臨するリア充君が放課後教室の真ん中で告白したのだ。
よっぽど自信があったのだろうか。
しかし茜はそれを断った。
それから他の男子たちが「あいつが無理なら無理じゃね」ってなったのかは分からんが、それ以来茜が学校で告白されることは無くなった。
すると「最近調子乗ってんじゃない」という建前ができた女子達は自分達が正義であるかのように鬱憤を晴らし始める。
これまでも嫌がらせはあったがそれも些細なものに思えるほど壮絶なものだった。
俺は全部知っていた。知っていたんだ。
茜は泣き言一つ言わずに耐えていた。
なのに俺は、俺は……………何も、できなかった。
全くもって何一つだ。
なんとも馬鹿げた話だが、当時の俺はそれがおかしいと気が付かなかった。
本当に俺は馬鹿だ。クズだ。最低だ。嫌われるのも当然だ。
謝って許してもらえるなんて思ってない。
謝るなんてもう遅い。
そうだ……何もかもが遅すぎたんだ。
茜が小5になる頃には嫌がらせは消えていた。
自然消滅というやつだろう。
それからだった妹の塩対応が始まったのは。
当然だ。俺はそれだけのことをしたんだ。
だが、茜は優しい。いや優しすぎる。
本来ならば口を聞いてくれる訳もないのに。
茜はこんな俺とまた一緒に話してくれた。
毎朝起こしに来てくれた。
だから小さいながらも俺は一生をかけて茜を守ると誓ったんだ。
俺の罪を償うために、そしてもう二度と同じ過ちを繰り返さないように……。
《あとがき》
いつもの明るい雰囲気とは打って変わってちょびっとだけ暗くしてみました。
えっ、ちょびっとじゃないって?細かいことは気にしな〜い。
どうも“妹が欲しい不眠症”です。
読んでいただきありがとうごぜいます。
この話はもっと後に書く予定だったんですけど伏線バリバリに貼ってしまって回収しないとって、ついつい焦ってしまいました。
このあとの展開どうしよう……。
次話は茜視点でのこの話です。
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