第二章 〜マリアの章〜

季節は春を迎え、華月達は2年生になっていた。華月の通うN高は外国語コースがあり、様々な国からの交換留学生もいる。現在全校生徒1200人の内、外国人の生徒も10名程学校に通っていた。

沙希のクラスの担任の市川 透(いちかわ とおる)は職員室を出て、自分のクラスへと歩みを進め朝のホームルームに向かう。その隣には絵に描いた様なブロンドの髪、碧い瞳をした制服姿の美しい女性が歩いている。

「あなたは緊張していますか?」透は自分で聞きながら、変な日本語だったかな?と自問自答した。

「キンチョ?」ブロンドの女性は聞き返す。

「あ、あー、なんだったか?」透は緊張の単語が出てこない。

「OK、リラックス。OK?」透は自分でもヒドいと思った。

「yeah!」女性は満面の笑みを浮かべる。透は内心ホッとした。もう余計な事は言わない様にしようと透は思っていた。自分のクラスのドアの前に着くと一呼吸置いてからドアを開ける。教室内に入ると、男子生徒がどよめく。女子生徒も黄色い声をあげていた。日直が号令をかける。

「起立。」皆ガタガタと立ち上がる。

「礼、おはようございます。」皆続く。

「着席。」またガタガタと椅子を引いて座る。その間も皆の視線は隣のブロンドの女性に興味津々であった。

「え〜、今日からウチのクラスに入る転校生だ。自己紹介...英語ではなんていったかな?」透は困っていた。

「self-introduction」沙希は流暢に答える。

「あー、それか。OK?」透はブロンドの女性にジェスチャーで皆に自己紹介を促す。

「yeah!」

「初めまして、マリア・ブラウンです。」マリアは言い慣れているのか、流暢な日本語で皆に挨拶する。言い終えた後の何とも言えない笑顔に男子も女子も歓声をあげた。

「アメリカから来ました。日本のアニメ大好き!よろしくオネガイします。」マリアはペコリと頭を下げる。

「あー、留学生ではなく、転校生だ。昔日本にいた事もあるみたいだが、アメリカ暮らしも長かったみたいなので、宜しく頼む。」透は皆に言う。

「席は...白崎の隣が良いか...。田辺、悪いんだけど、変わってくれるか?」男子生徒に言う。

「わかりました。」田辺は後ろの席に移動する。

「thank you!」マリアは田辺にウインクする。その仕草に田辺も、周りもマリアの事が一瞬で好きになった。


4時限目が終わる頃には、マリアと沙希はかなり仲良くなっていた。沙希もアメリカにいた事もあり、話は弾んでいた。

「マリア、ランチはどうする?」沙希はマリアに聞く。

「ガクショクに行ってみたいです♪」マリアは言う。

「OK!友達にも声かけてみよ。ついて来て。」沙希は隣のクラスに向かう。

「yeah」マリアも続く。


「華月、起きて。お昼ご飯だよ。」鈴音は寝ている華月の肩をゆする。あの一件以来、鈴音は特段明るくなったわけではなかったが、華月達とは普通に話が出来る様になっていた。寝ている華月を起こすのも、隣の席の鈴音の日課になっていた。

「何か彼女みたい。」慎司はニヤニヤしながら鈴音に言う。

「そ、そんな事ない!」鈴音は慌てて否定するも顔を赤らめた。

「かづちゃん!お昼行こ♪」教室の後ろのドアから沙希の声がした。その隣にはブロンドの髪の女性がいた。

「あれが噂の転校生...。」慎司は呟く。鈴音もマリアを見た。

「うわぁ。綺麗。」鈴音は本音が出た。

「まだ寝てんの?かづちゃん、お昼だよ。」沙希は教室内に入り、華月の元に行くと華月の肩をゆする。

「あ、あぁ...。」華月はようやく机に突っ伏していた上半身を起こす。

「...that's unbelievable!oh my god!」マリアは両手を口元に当てて驚いている。その瞳には涙が浮かんでいた。慎司達はその様子を見ていたが、突然マリアが走り出し華月に抱きついた。

「えっ?」沙希も鈴音も口をついて出た言葉がそれだった。

「かづきっ!」マリアは華月に抱きついた身体を一旦離し、華月の顔をマジマジと見る。その頬には涙が伝っていた。

「...マリア?」華月は目の前のブロンドの女性に問いかける。

「Yes!」マリアはそう答えるとボロボロと涙を流しながら、華月に口付けをした。

「なっ⁉︎えぇっ⁉︎」慎司だけでなく、その場にいた全員がそう思って2人に注目した。時間にして5秒くらいであったか、我に返った沙希が言う。

「ちょ、ちょっとマリア何してんの!」そう言うと華月から引き離そうとする。華月の唇とマリアの唇は離れたが、マリアは華月の胸にその顔を埋めた。無邪気な子供の様にその顔は笑顔に満ち溢れている。

「ちょっと!どういう事?」沙希は華月に聞く。

「あ、あぁ。」華月は未だに状況を把握しているのか、いないのかわからない返事をした。

「ああじゃないわよ!まったく!」沙希は少し怒った様に言う。

「と、とりあえず、飯行こうか?そこで話を聞かない?華月もまだ寝起きだし。」慎司は皆に促す。沙希も鈴音もその言葉に従う。学食に向かう途中もマリアは華月の左腕に抱きついて離れず、その様子は他の生徒達も呆気に取られた表情で視線を送っていた。食堂に着くと慎司は華月に言う。

「カツカレーでいいの?」

「あぁ。」華月は食券を慎司に渡す。

「マリアちゃんは?」慎司はマリアに聞く。

「かづきと同じ♪」マリアは慎司に言う。

「やめときなさい。カツカレーなんて。しょっぱいんだから。マリアはAランチにしなさい。」沙希はマリアに言う。

「yeah」マリアは頷く。

「まったくもう!じゃあ、席取っといて。」沙希は華月に言う。

「ありがとう。」華月は沙希と慎司に言う。

華月とマリアは腕を組みながら、食堂の端の空いている席に向かった。

「どういう関係なのかな?」鈴音は沙希と慎司に言う。

「俺と華月は小学校から一緒だけど、少なくとも俺は知らない。」慎司は思い出す様に言う。

「てことは、それより前の知り合いなのかしらね?」沙希は言う。

「さぁ?華月は自分の事あまり話さないからね。後で聞いてみようよ。」慎司の言葉に沙希も鈴音も頷く。

慎司は両手にお盆を持ち、その上にそれぞれカツカレーを乗せて席に向かう。鈴音と沙希もAランチを持ち席に向かう。華月とマリアは話をする事もなく、ただ席に座っていた。マリアは華月の左腕に相変わらずベッタリと身体を寄せ、幸せそうであった。

「とりあえず食べちゃおう。話はそれから。」慎司は華月にカツカレーを渡す。マリアも一旦華月から離れた。

「はい、マリア。」沙希はマリアにAランチを渡す。

「thank you!沙希!」マリアは満面の笑みで沙希に言う。

華月は黙々と食べ出している。

「よく、そんなしょっぱいカレー食べられるわね?」沙希は華月と慎司に言う。

「もうクセになっちゃったよね?華月。」慎司は華月に言う。華月は無言で頷く。マリアは華月のカレーを少しスプーンで掬うと口に入れた。すぐにベロを出してまずそうにリアクションした。

「そう、それが普通の反応よね。」沙希は言う。マリアは水を飲み、Aランチを恐る恐る食べ出した。

「Delicious!」マリアはパクパクと食べ出した。

「Aランチにしといて良かったでしょ?」沙希は笑う。

「yeah」マリアは答える。鈴音も黙々と食べていた。

「ご馳走様。」華月は手を合わせた。

「早ッ!」沙希は思わずツッコむ。

「上行くわ。」華月は言うと席を立つ。

「wait please かづき。」マリアは華月の袖を引っ張る。

「マリア、大丈夫。後で私達も行くから。」沙希はマリアに言うと、マリアは華月の袖を離した。いつの間にか慎司も食べ終わって、華月と並んで食器を片付けに行っている。

「どういう胃袋してんのよ。」呆れた顔で言う沙希の言葉に鈴音は笑う。

「ところでさぁ、マリア、かづちゃんとどういう関係なの?」沙希は言う。

「?」マリアは沙希を見る。

「あぁ、ゴメン。」沙希は英語で聞き直した。

「my prince」マリアは笑顔で答える。

「王子様って事?」鈴音は沙希に聞く。

「みたいね。何があったんだか。」沙希はヤレヤレと言った表情を浮かべた。

「気になるけど、先に食べちゃいましょ!じゃないとかづちゃんまた寝ちゃうから。」沙希は笑った。


慎司と華月は屋上に到着した。

「華月、マリアとはどういう関係なの?」慎司は聞く。

「...俺がまだ小さい頃にな。ウチの道場で使う花を仕入れてたのが、マリアの母さんがやっていた花屋だったんだ。マリアの家の花は、本当に手入れが行き届いていて、婆ちゃんもお気に入りだったんだよ。」

「ふぅん。」慎司は答えながらレジャーシートを用意する。華月も手伝う。

「それって、俺と知り合う前だよね?小学校に上がる前の話?」慎司は聞く。

「そうだな。俺が4歳位の時の話だ。」華月は言う。4歳の華月、変わらないんだろうなと慎司は思った。

「何かエピソードあったんでしょ?じゃなきゃあんなに好かれないよね。」慎司はマリアの華月に対する懐き具合を思い出しながら言う。

「?...俺は何も...。」華月は思い出す様に言う。

「んなわけないでしょ?いきなりキスとかありえないモン。」慎司はニヤニヤしながら華月に言う。

「外国式の挨拶みたいなモンだろう?マリアはあぁいう奴なんだ。」華月は言う。

「いやいや、アレはビックリしたって。いきなりだもん。」慎司は言う。

「...そうか?...」華月は慎司に聞き返す。

「そうだよ。皆もビックリしたと思うよ。」慎司は言う。屋上の扉が開く音がして、沙希、マリア、鈴音が姿を現した。マリアは周りを見渡し華月を見つけると、

「かづきっ!」言うが早いか、華月に抱きついた。

「どんだけ好きなのよ。」沙希と鈴音も側に来てレジャーシートに腰を下ろす。

「王子様、お話聞かせてもらおうかしら?お昼寝は無しよ。」沙希は華月に言う。

「わかった。」華月は先程慎司に話した内容を沙希達にも話した。

「4歳のかづちゃんて見てみたいわぁ。」沙希は笑顔で言う。

「わたしも見てみたい。」鈴音も言う。マリアは華月の左腕にしがみつきながら、話を聞いているのか、聞いていないのかわからないが、猫の様に笑顔で華月に夢中でニコニコしている。

「で、エピソードがあったんでしょ?」慎司は華月に言う。

「episode?」マリアは慎司に聞き返すと話出した。

「かづきはmy princeです。」とニッコリ笑った。

「マリア、英語でいいわよ。私が通訳するわ。」沙希が言う。

「thank you沙希!」マリアはそう言うと沙希のほっぺにキスした。沙希も笑った。

マリアは話出した。

マリアの母は花屋を経営しており、華月の家に花を仕入れていた。華月の祖母はその花の手入れを大層気に入り、以来家族ぐるみの付き合いをしていた。マリアの父はアメリカ海軍の将校で沖縄の米軍基地で働いており、単身赴任で家にはマリアと母の2人でいる事が多かった。華月の両親も妖しによる問題解決に全国を飛び回っており、家を空ける事が多かった。そんな事もあって、華月の祖母佐奈子はマリアとマリアの母を家に呼ぶ事も多かった。幼少期の華月とマリアはよく2人で遊んでいた。ある日の夕方、近くの公園で遊んでいたマリアと華月は2人組の男に誘拐されそうになる。2人組の男の目的はマリア。その愛らしい顔立ちは、良からぬ事を企む大人達にとって、恰好の的であった。

「お嬢ちゃん達、ちょっとおじさんに道を教えてくれるかい?」2人組の男達はマリアと華月に近づく。華月は幼心ながらもこの大人達がマリアに危害を加えようとしている事が読み取れた。華月は何も言わずにマリアを自分の後ろに匿う様に下がらせた。マリアはそんな華月のただならぬ表情に緊迫感を覚えた。

「お前、坊ちゃんか?坊ちゃんに用はないんだなぁ。おじさん達が用があるのは、そっちのお嬢ちゃんなんだよ。」もう1人の男が華月に言う。

華月は頑として引かない。男達を睨みつける。

「生意気なガキだな。面倒くせぇ、そっちのお嬢ちゃんをさっさとさらっちまおう。」もう1人の男はマリアの手を握って連れて行こうとする。

「かづきー!」マリアは華月の名を叫ぶ。華月は男の腕に噛み付いた。マリアはその場にしゃがみ込み怯えている。

「っ痛てぇ!」男は華月を叩き落とした。華月は怯まず、男の腕に再度噛みつく。

「このガキ!」もう1人の男が華月を蹴飛ばす。華月は数メートル先に吹っ飛んだ。それでも上体を起こして立ち上がり、男達に向かっていく。華月はまたも男の拳に轢き飛ばされる。

「かづきー!」マリアは華月の元に駆け寄る。華月はボロボロになりながらも、マリアを匿う様に下がらせる。その眼光は男達を逆撫でした。

「なんだこのガキ!いい加減にしやがれ!」男達の拳が華月に当たる瞬間、男達は地面に転がる様に吹っ飛ばされた。

ガタイの良い外国人の男が2人組を見下ろしていた。男達はその外国人を見ると完全に怯んでいた。

「パパぁっ!」マリアは安堵すると涙が溢れ出した。

男達は立ち上がりマリアの父に向かって2人がかりで飛びかかった。マリアの父はヒラリとかわし際に1人の男の腕を取りゴキっと鈍い音がする。

「あぁー‼︎」男の肩はダラリと垂れ下がっていた。肩の関節を外されたのだ。もう1人の男がマリアの父に蹴りかかる。その足を取り強烈な肘を男の膝に叩き込む。グキャッ!鈍い音がして男は倒れ込む。膝の皿を割ったのだ。男達は完全に戦意喪失し、這いつくばる様に逃げて行った。マリアの父は傷ついた華月の前に来ると華月を優しく抱き抱え、

「thank youかづき。 you're samurai!」と言ってニッコリ笑った。華月は安堵すると気絶した。


華月は目が覚める。家の布団の中の様だ。身体中のあちこちが痛い。

「華月様!大丈夫ですか?」15歳の綾乃は如月家に仕える様になってから、2年が経過していた。2年前に両親を交通事故で亡くし、天蓋孤独の身となった綾乃は、佐奈子の計らいで如月家で暮らす様になる。元々忍びの一族であった綾乃の先祖は、その昔、如月の鬼に一族存亡の危機を救われる。それからというもの、西園寺家は如月家に仕える様になっていた。西園寺家の忍びの技は、一子相伝。幼少の頃より両親に厳しく育てられた綾乃にもその技は受け継がれていた。本来であれば、元服(16歳になる)と同時に如月家に仕え始めるのだが、事情も事情なので、早めに如月家に仕える事となる。だが、佐奈子も、華月も、華月の両親も、主従関係に固執する事はなく、家族として綾乃を迎えていた。


「あやのおねぇちゃん!マリアは?」華月は自分の身よりマリアの安否を気遣う。

(何て健気で優しい子なの?身体中が痛みに襲われているはずなのに。)綾乃はそう思った。

「大丈夫でございますよ。先程、お父様とお帰りになられました。」綾乃は微笑みながら言う。

「良かったぁ。」華月は安堵すると緊張の糸が切れたのか、また眠りに落ちた。

「華月様?」綾乃は華月の容体をみる。華月から静かな寝息が聞こえると綾乃は安堵した。華月の頭を優しく撫でる。今回の事は綾乃のせいではないが、綾乃は華月をこんな目に合わせてしまった事を深く胸に刻みこんだ。自分の生涯をかけて華月をそして加奈を守る事を心に誓った。


それから暫くして、マリアの父が任務でアメリカ本国に帰らなければならなくなり、一家でアメリカに帰る事になったのだ。マリア一家がアメリカに帰る当日、佐奈子と華月は空港まで見送りに来ていた。

「ホンマにあんたの手入れした花は、お見事でした。thank you。」佐奈子はマリアの母の手を握り感謝の意を伝える。

「日本の母は佐奈子さんです。お世話になりました。」マリアの母は佐奈子に頭を下げると佐奈子とハグする。

「いつでも困った事があったら、日本に、私の所に来なさい。」佐奈子はそう言うとマリアの母を抱きしめる。

マリアは華月の手を黙って握っていた。

「あっちに行っても元気でね。」華月はマリアに言う。

「かづき、わたし大きくなったら、かづきにぜったい会いにくる。わすれないでね。」マリアは泣き出した。

「わすれないよ。ずっとともだちだもん。」華月はマリアの頭を撫でた。

マリアは華月にKissをした。

マリア一家は華月達に見送られ、アメリカに帰っていった。


そして現在に至る...。


「コレは...ホレるわね...」沙希は通訳しながらそう思った。

「じゃあ、マリアさんはずっと華月を...?」鈴音はマリアに聞く。

「Yes!わたしのことはマリアと呼んでください。」マリアは鈴音に言う。

「あ、私も鈴音でいいよ。」鈴音もマリアに言う。お互いに微笑みあう。

「かづき、今日grandmaに会いに行ってもいいですか?」マリアは華月に言う。

「あぁ。今日は教室もないし、構わんと思う。」華月はおもむろに制服のポケットからスマホを取り出し家に掛ける。コール音が2回なり、

「如月でございます。」と綾乃の声がした。

「婆ちゃんいる?」華月は言う。

「はい。道場におられると思いますので、少々お待ちくださいませ。」保留音が鳴り響く。暫くして、

「もしもし、華月か?」と佐奈子の声が聞こえた。

「婆ちゃん驚くなよ、マリアがウチの学校に転校してきた。」華月は言う。

「マリア...って、あのマリアか?」佐奈子は聞き返した。

「そうだ。あのマリアだ。今隣にいる。」華月はマリアを見る。

「grandma?ひさしぶりです。マリアです。」マリアは華月のスマホに話掛けた。

「懐かしいのぅ。マリアのmotherもfatherも元気か?」佐奈子は聞く。

「Yes!パパはまた、沖縄で仕事です。ママは日本には遅れて来ますがママもきます!」マリアは答える。

「それは何より。マリア、今日ウチにおいで。久しぶりに顔を見たいぞ。」佐奈子は華月が聞こうと電話した内容を言ってくれた。

「Yes!いきます!」マリアは答えたところで、華月が言う。

「実はマリアが婆ちゃんに会いたいって言うから電話したんだ。」

「連れておいで。今日は再会の宴じゃ!」と佐奈子は笑う。

「わかった。ありがとう婆ちゃん。」華月は電話を切る。

マリアは満面の笑みで華月に抱きつく。

「thank you!かづき!」

華月も微笑む。

「ねぇ、鈴音。」沙希は小声で鈴音に言う。

「思わぬ超強力なライバルが現れたと思わない?」沙希の言葉に鈴音は頷く。

「かづちゃん、私達もお邪魔していいかな?」沙希は華月に聞く。

「あぁ、もちろん。」華月は言う。

「あ、じゃあ俺も行こ!」慎司も言う。

宴を楽しみに午後の授業を頑張る華月達であった。



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