大規模魔法

「よし、出来た」


 魔法陣をセリス以外の皆で協力し、急いで作り上げる。


「魔法完成時間は!?」

「残りおよそ一分ほどです」


 ギリギリか……。

 

「……やるぞ」


 その言葉と同時に、ベルとラナークは剣に形態を変え、僕は両手で剣を合わせる。


「いくよ、ベル!!」

「おっけ~!!」

 

 そう言うと、二つの剣は光を放ち、一つの剣が出来上がる。


「完璧だ」


 セリスは目だけを覆う仮面に変化し、それを僕に装備する。


「魔力の波長は完璧……相手の魔力量の解析、完了……魔法を放った際の反動、補填完了……相殺できる確率、80%……」


 80か……心配な数字だ……。

 今までは95%を切ったことがないので少し不安だった。


「押し切れる確率は?」

「70程です」

「もう少し魔力を込める」


 そう言って剣に魔力を込める。


「波長が乱れつつあり、これ以上は危険と判断……」

「これでどうだ?」

「確率は90を超えました……押し切れる確率は80%大丈夫かと」

「なら、大丈夫そうだな」

「発動予測残り十秒……九……八……」


 カウントダウンが開始される。

 これで命運が決まる。


「もし駄目でも、私に任せなさ~い」


 聞き覚えの声が聞こえる。


「ノウェム、どうして来た!!」

「君のピンチだもん、そりゃ駆けつけるさ」


 そう言って彼女は僕に触れた。


 

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