転移先

 飛び込んだ先の場所は、王都近くの村に転移していた。

 

「ノウェム、彼女の消えた先は?」

「王都の中、でも多分大丈夫……あの切れ方は通信遮断魔法だと思う」


 っという事は少なくとも捕まって殺されているという事ではないのだろう。


「すぐに行く、セリス……奴はいるか?」


 セリスにそう問いかけると、彼女はある方向を指差す。


「王国騎士団の馬車で、90%の確率で奴です」


 おや、ちょうどいいタイミングだったようだ。

 まぁ、間違った所で、僕だとはわからないと信じよう。


「セリス」

「了解しました」

 

 僕が自分で作った魔法銃を取り出す。


「憑依します」


 セリスが銃を握ると、銃の中に消えていく。


「よし、照準を合わせる」


 彼女の能力は 解析サーチ……正確に敵を分析したり、遠距離においての対象の照準を合わせることが出来る。


「攻撃場所は、奴の乗っている歯車だ」

「……出来ました、いつでも打てます」

「流石だ」


 一秒で攻撃距離の測定を終わらした。


「私が操作します……いつでもどうぞ」


 魔力を込める。


「充電完了、この魔力なら十分貫けます」


 そう言って独りでに引き金が引かれると、魔力の籠った弾が一直線に発射される。


「当たりました、ついでに出てきた男は間違いなかったです」

「じゃあ、急いでいくか」


 王都まではそれなりに距離があるだろうが、応援を呼ばれても面倒だ。

 そう言って僕らはセリスの案内の元、奴の場所に急いで向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る