怠惰の極み

「ご飯、食べたいです!!」


 目の前の気怠そうな少女、ミューリが右手を上げていう。


「なら手伝え」

「お断りいたします!!」

 

 目の前の駄精霊がそう言うと、少しイラっとする。

 即答しやがった。

 

「だって~、面倒くさいんだもの~」

「よし、お前だけ飯抜きな」


 ミューリは僕の言葉にショックを受け、頬を膨らまして抗議してくる。


「そんな~!! 横暴だ~!!」

「どこが横暴だ、この駄精霊!!」

「もう、しょうがない……何すればいいのさ」


 むくれながらも、観念していってくる。


「この組み立てを手伝ってくれ」

「え~、僕重たいものは……いえ、わかりました、させていただきます」


 セリスと目が合うと、彼女は掌を返したように作業を始める。

 セリスとミューリは性格的に正反対だ。

 何事もそつなくこなし真面目なセリス、面倒くさがりで基本何もしないポンコツミューリ。

 ミューリは正直、彼女の事が苦手だった。

 理由は面倒くさがると、やるまで彼女が小言を言ってくるからだそうだ。

 だから、彼女を呼び出す際セリスと同じ事をするようにしているのもある。

 他の 精霊達奴らは甘やかしたりするのでミューリと何かするときは、セリスにお願いすることにしている。

 しばらくしてセリスたちと共に野外用の食卓が完成したのだった。 



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