本当の気持ち

「僕は君達と居たいに決まってるじゃないか」

 

 彼女らを撫でながら他の四人を見る。

 不安そうな顔から安心したような顔になる。

 僕の言葉で不安にさせてしまったのだろうか。

 

 二人が僕の手を握ってくるので彼女達の方を見る。


「ご主人!!」

「お兄ちゃん」

「「せーの、これからもお願いします!!」

「あぁ、僕の方こそよろしくお願いするよ」


 二人の言葉に僕がそう言うと、彼女達は笑顔で頷いた。


「それじゃあ、帰るか」


 皆の顔を見てそう言うと、ラナークとレティー以外は不満そうな顔をする。

 多分、ラナークとレティーにだけ撫でたからだろう。


「帰るぞ、ご飯を食べよう」


 四人の頭を交互に撫でると、満足気な声で返事すると皆で帰路に着いた。

 家に帰ると、皆それぞれ夕食に向けて準備を始める。

 精霊は食事など必要ない。

 魔力さえあれば、食事など必要ないのだ。

 だが、食事も立派な魔力の源なので、こういう消費が多く、僕の魔力で補えない日は皆で食事をすると決めているのだ。

 

 ラナークとミリアが食事係、ベルとレイン、レティーは食膳係、僕とセリスは外に出て食事が出来る準備を整える。

 あらかじめ作っていた机や椅子を組み立てようとして、もう一つの箱に声を掛ける。


「お前も食べたかったら出てこい」

 

 箱が光を放ち、一人の黒い髪の気怠そうな顔の少女が現れた。

 

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