謁見

「おぉ、来られたか……」

  

 三日前とは違い、精霊王はその姿を現していた。

 緑の髪に開いているのかわからない程切れ長の瞳、精霊王に相応しい風貌の女性が目の前に立っていた。


「言葉と風貌がまるであってないな」

「そうかの? それじゃあ……これでいいのかな?」


 声が老人の声から、若い女性の声に変わる。


「適応早いな」

「ううん、私は元々こういう喋り方なんだ~」


 という事は、あの老人みたいな喋り方が偽りという事だ。


「それで、彼女については決めてくれたかな?」


 微精霊Cの事か……。


「僕についてくるには彼女は優しすぎる、辛い思いをするだけだ」

「そうか、それでは……」


 彼女は消える。

 可哀想だが、僕とついて来て傷つくよりかはマシだ。


「それにそうそう消えるわけじゃない、僕も旅を続け彼女に相応しい奴を見つけるさ」

 

 精霊使いになるには条件がある。


1.精霊と契約するには、精霊が対象を認める事。

2.精霊を完全に使役できるだけの魔力がいる事。

3.精霊と波長が合う事。


 その他にも色々あるが、主にこの三つが重要とされている。

 名前を与えることも1に含まれる。


「頼む、微精霊と言えど我が子孫だ……出来るだけ消えない道を選びたい」


 わが子が消えゆく姿は回避したいだろう。

 

「じゃあ、僕は行くよ」

「あぁ、お勤め、ご苦労さん」 


 そう言って僕は北方向に向くと見知った顔が覗いていた。






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