おかしな五人組
「お前達……」
僕が三人の方へ目を向けると、微精霊AとBは腰を抜かしていた。
Cに至ってはその、恐怖のあまり漏らしてしまっていた。
「とりあえず、お前は着替えてこい」
そう言って錬成魔法で彼女サイズのローブと袋を作る。
「下着は無理だからこれで我慢してくれ」
そう言うと、恥ずかしそうに俯いている。
彼女はローブと袋を受け取り、茂みの中に消えていく。
「あんまり遠くに行くなよ~」
僕はCにそう言うと、他の微精霊の方を向き、手を差し伸べる。
「立てそうか?」
彼女達は立ち上がれそうにないので、僕は魔法で彼女達を立ち上がらせる。
何か、気配がする。
数は……五人……向かう方向はCが行ったところだ。
「ありがとうございます」
「いや、それはいい……少し外す」
僕はそう言って二人が立つのを確認すると、ある方向へ魔力で錬成した太針を投げる。
歩きながら、次々と投げていく。
そしてCの向かった方向へ行くと、四人が僕の投げた太針が足元に刺さり動けないでいる。
あと一人は……。
僕は左側に太針を投げる。
「……!!」
投げた方向に苦悶の声が聞こえる。
左方向に五人目の奴がいた。
「さて、君達は何者かな?」
ここに来る人間は目的が一つしかないが、一応聞いてみる。
「お、俺達は冒険者だ! ギルドから依頼されてここに来た!」
「へぇ? 誰から?」
僕の言葉に返答はない。
っという事はギルドからの依頼は嘘になる。
そもそも精霊の森の調査は勇者以外S級冒険者しか受けることはできないのだ。
それに、S級冒険者はこの辺一帯のギルドにはいない。
「そっか、話してくれないんだね」
そう言うと、僕は再び太針を錬成した。
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