昼食
魚を家に持って帰ると、黒魚を刺身にした。
刺身にしたついでに骨をお湯につけ煮込んだ骨身汁を用意した。
そして出した出汁の半分を持ってきた米の炊き出しに使い、準備万端だ。
来たな……。
扉のノック音がしたので出迎えに行くと四人がいた。
「御呼ばれにきてやったのですよ」
「偉そうだな」
そう言うと四人を招き入れ、席に案内する。
「お腹空いてお腹空いて、もう我慢できねぇですよ」
さっきからこいつ言葉遣い悪くないか?
というか今さらだが、言語が個性的すぎる。
「もう少し待ってろ、今出来るから」
ご飯が出来上がり、持ってきた丼に詰める。
そしてその上から刺身を乗せて完成だ。
「黒魚の全てを盛り込んだ刺身丼だ」
僕が彼女たちに運び込むとみるのが初めてなのか、キラキラした瞳で丼を見つめている。
「これが、外の世界の……!」
そうして鑑賞と匂いを嗅ぎ終え、緊張した面持ちで口に入れる。
食べた瞬間、彼女達からは蕩けるような顔で咀嚼している。
「お気に召したようで何よりだ」
「このお魚、とっても柔らかくて美味しいのです~」
「たまたま手に入った高級食材の黒魚を使ってるからな」
「ふむふむ」
「あの、お替りいけますか?」
「あぁ、いいぞ……たくさんあるから、どんどん食え」
精霊Bは申し訳なさそうな顔で言うが、中々量があるので食ってもらわないと困るのだ。
「私も私も!」
「僕も!」
「はいはい」
これだけ気にいって貰えたのなら、作った者として嬉しい限りだ。
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