争いの終結

「えへへ~」

「えらくご機嫌ですな~」

「うん!」


 あれから彼女の事を誉め倒して何とかその場を収めることに成功した。

 それでノウェムにはげんこつ食らわせた。


「こんなの横暴だ~!」

「自業自得だ」


 左手で頭を押さえながら涙目で言い放つノウェムにそう言い返し、僕らは子供たちが住んでいる屋敷へ向かった。


「あ、エレナだ!」


 エレナを見つけるとぞろぞろと子供たちが集まってくる。


「エレナ、剣術教えて!」

「私も!」

「エレナ姉は私と遊ぶの!」


 ノウェムとは違い、大人気のようだ。

 

「はいはい、今日は視察に来ただけだからまた今度ね~」


 エレナがそう言うと、一人の女の子が不思議そうな顔をする。


「え、でもさっき腕組んでなかった?」


 少女がそう言うと、年上の男女が彼女の口をふさぐ。


「ばか、それは無粋ってもんだぞ!」

「そうよ、視察って名目で逢引きなのよ!」

「え、そうなの?」


 子供たちの言葉にドン引きしてノウェムは言う。

 っというか君、さっきまで一緒だったよね?


「そんなわけないでしょ! あなたたちが元気にしているか見に来ただけよ!」


 子供達はニマニマした顔でエレナを見る。


「何よ」

「なんでもないよ、それよりみんな元気だけどそっちはどう?」

「こっちはこっちでなんとかやってるわ」

「そっか……いつ戦争終わりそう?」

「それは……」


 この戦争は終わらない、あの天使が言うことが本当ならばこの戦争は永遠に終わることはない。


「私、怖いよ……」


 その言葉に子供たちは俯く。

 まるで戦争を体験してきたかのように一部の子供は震えていた。



 

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