かつての光景
辺りは血の海だ……。
これはかつての夢、聖剣を振るったあの日の光景だ。
敵は数千に対し僕らは数百……圧倒的に不利な状況だ。
偵察任務の途中で移動する魔族が、僕らに気が付き襲いかかってきた。
僕達の生き残れる可能性は異常に低かった。
数十、数百と僕が戦っている間に倒れる兵士達……。
余裕というものは全くと言っていいほどなかった。
だからあの言葉に従ってしまった。
聖剣、抜刀……聖剣の力を行使可能……使用しますか?
今、残る命を救えるのなら……そう思い聖剣を行使した。
いつもの力とは格が違う斬撃……本来の聖剣の力を行使したかの如く最強の力……。
だけど、残ったのは僕一人……あたりには斬撃によって誰一人、草木も残らない大地と成り果てていた。
僕は仲間ごと切り捨てた……。
その感情が一気に湧き上がってきて泣いた……。
ここに着くまで楽しく話していた仲間や騎士達と話していたのに……。
目を開ける。
日差しが窓を越えて光が差し込んでいる。
昨日の子供達の言葉と自分が犯した罪が重なる。
もしかしたらあの中にあいつらの親がいたかもしれない……。
他の奴らだってそうだ……戦わなければ死ぬこともなく彼らの大切な人達が悲し苦しむ事もないのだ……。
だけど、戦争をなくすにはあの天使どもをどうにかしなければいけない。
とは言ってもあの天使だけなら何とかなるが、四大天使ともなれば話は別だ。
彼らは歴代魔王を一瞬で屠っている。
僕よりも明らかに格上なのはみてとれる。
せめて魔法や能力がわかれば対処できるんだが…‥。
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