限界
もう一度使えば、僕は恐らく限界だ。
「何? ノウェムと一緒で怠け者になったんじゃない?」
「何だか知らんが、もう戦わない……手打ちにしないか?」
「え、なんで?」
「君、僕を殺す気でしょ?」
「え、うん……ふしだらな奴、特にレウルは殺るしかないでしょ」
鋭い目でいう彼女の目の中には鎌を持った骸骨、死神が宿っていた。
「僕は清廉潔白だ、何もやましいことなんて……」
言いかけた所で先程までの行動を思い返すと、言葉が詰まる。
え、僕……よくよく考えたら、煩悩の塊じゃね?
「ほら、黙った」
「ち、違うぞ!?」
目から光が消え、殺気が立ち込める。
これは不味いもしれない。
彼女は本気で切りかかってきたら僕でも太刀打ちできるかわからない。
それに……。
彼女は腰につけているもう一方の剣を引き抜く。
彼女の真の実力は両手に剣を持つことで発揮される。
彼女が本気になった証拠だ。
「貴方の実力は分かったから、集中しなさい」
僕は意識を集中する。
集中しないと一瞬でやられてしまうからだ。
目の前にエレナが現れる。
思った以上に速かった。
先程のスピードは小手調べだったわけだ。
まだ実力を隠していたのか!?
先程の二倍加速を使って魔法の壁を張り、警戒していたが一瞬にして防壁が崩れ去る。
四倍、加速身体強化≪フォー、アクセルストロング≫。
思考、身体強化を施す。
この状態で戦うと反動が凄いが、彼女相手なら全力で戦わなければ死ぬ。
彼女の攻撃が見え、受け止めた。
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