35 魔王城にて2

「あの馬鹿ども……」


 デレスは魔王軍の下っ端の軍で四天王の一人ウルゴフの監視下の魔族過激派だ。

 ウルゴフの監視下の部下はほとんどが魔族過激派でウルゴフはそれの鎮圧の役目を担っている。


「すまぬ、またあいつらが」


 ウルゴフはよくやっている。

 過激派は基本的に力が全ての奴らが多い。

 自分より下の奴の下につかないし、自分がしたいと思った事を直ぐに行動する。

 それに四天王の他の面子、特にカノンとシエラに任せることもできない。

 彼らは女性を基本的に下に見ているため、ウルスラが魔王の座にいることでさえ気に入らない。

 それにしても今回の身勝手な出陣、勇者の暗殺という手柄だろう。

 自分たちが勇者を倒したという箔が欲しいのだろう。


「まぁ、仕方ない。 ウルゴフはよく抑え込んでくれてるほうだ」

「もったいなき、お言葉……」

 

 実際他の奴ではいう事を聞かないだろう。

 四天王のうちカノンとシエラは女性だ。

 絶対聞かないだろうし、もう一人のあいつはまぁ、いう事を聞かない時点で殺して

過激派の反発を買いかねないので論外だ。


「まぁ、放っておくか……」

「良いのですか?」


 シエラがそう答えると、ウルスラは頷く。


「勝手にやったことではあるし、これは好機だ」


 相手の力を知ることもできるし、勝手に暴走したことにすれば過激派の奴らは抑え込める。

 

「それより、この情報早すぎるな……」


 奴らが出陣するのが早すぎる。

 前もって偵察していた?

 それにしては報告など一切なかった。


「使い魔を放てるか?」

「御意」


 そういうとシエラは召喚魔法を行った

 

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る