25 招かれざる来客
どうしたものか……。
現在進行形で両腕をノウェムとエレナに掴まれ、動けないでいる。
「さぁさぁ~」
「むむむ……」
男として、迫られるのは悪くない……悪くないのだが、それは相手は世界最高にして最強の魔導士と実力が計り知れない剣士でなければの話だ。
「どちらでもいいじゃない? そんなに大事なの?」
「ウルスラはお子ちゃまだからわからないのよ! これは女の魅力をかけての戦いなの!!」
それで僕の命が危険に晒されるのはたまったもんじゃないけどな。
「も、もうやめないか!? 僕はどっちでも……」
「よくない!」
「よくないよ~」
こいつら仲良すぎだろ。
「と言っても~、これ以上~レウルをおちょくるのも~飽きたし~、私は昼寝でもしてくるよ~」
僕の右腕から身体を離し、玄関へ向かう。
「お城、案内してくれる?」
「あ、あぁ……」
振り向きざまに言うと、僕は頷く。
「あぁ、もう! 私も行く!」
「私もいく、子供たちがどんな感じで暮らすか知りたいしな……いい加減出てこんか、カノン」
桃色の三つ編み髪のエレナと見た目が同い年の魔族が現れる。
四天王の一人、カノンだ。
「ばれてましたか……」
恐らく僕達全員、気が付いていただろう……誰も当然と言った表情だ。
「こいつ等全員気づいておったぞ」
あ、年寄り口調になってる。
今は魔王として、っとというわけか……。
「それで、お主の目的は何じゃ?」
隠れていたという事は何かを探っていたという事に他ならない。
カノンはウルスラが問うと、気の強そうな瞳で僕を睨む。
「単調直入に言います、私はこいつの事が信用なりません」
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