26 カノン
「いきなり失礼極まりないな……」
「だって本当の事です、エレナさんやノウェムさんのように魔王軍の貢献者ならいざ知らず、何の貢献もしていない人間を信用なんてできるはずないです」
確かにそれは正論だが、僕は好き好んで関わっているわけではない。
むしろ、巻き込まれている側なのだから……。
「大丈夫だよ~、レウルは信用できるよ~、ちょっと性格は捻くれてるけど~」
ちょっと、そこ、捻くれてるとか言わない。
僕の場合は用心深いだ。
エレナもノウェムの言葉にコクりと頷く。
「例え姉さまのいう事でも、この眼で見るまで信用できません!」
え、今姉さまって言った?
「カノン、いい加減にしなさい……子供たちを預かってくれているだけでも貢献してますよ。 何も戦での貢献が魔族への貢献とは限らないのよ」
カノンはエレナの言葉にムッとしているとウルスラが、
「ちょうどよいカノン、貴様は休暇を取るがいい。 そしてここでしばらく英気を養うと良い」
「私には結構です、それに私は次の調査任務がありますので」
「いいから休暇を取れ、これは命令じゃ」
いくら四天王と言っても魔王言うことは絶対だ、従うしかな……。
「お断りします」
………断ったね……。
ほら、泣きそうになってんじゃん……てかメンタル弱いな!
断られ今にも泣きだしそうな魔王。
そして、あの頃のイメージがどんどん崩れ去っていく。
「よしよし~」
ノウェムの胸に顔を埋めるウルスラ。
「カノン~、ウルちゃんも~貴方の事を思って言ったんだよ~」
「でも……」
「じゃあ~、一日だけ……明日一日だけ休暇を取って~ここで子供たちの面倒見てよ~ね~? ウルちゃんの~為を思って~お願~い」
ノウェムがそう言うとカノンは少し考え込む。
う~んっと考え込み、少しして、
「はぁ~、わかりました。 明日だけ休暇をもらいます」
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