10 魔族という存在
「それで? お前はどうするんだ?」
「人同士の事に口出しはせん、そもそも我らは戦争はしたくないのだから」
そう言えば、戦争したくないって言っていたな。
なのに戦争を起きるなんて、魔王ってのも苦労するな。
「それに、人族が互いに勝手に戦ってくれれば私達に来ることはない。
私にとっては大歓迎だ」
「魔族は内部での争いが無いのか?」
「完全にないとは言い切れんが、人族よりは圧倒的に少ないぞ」
もしかしたら人族とは違い、魔族は個人の力で従えるからか逆らう奴が存在しないのかもしれない。
「っと言うより魔族はそもそも戦いなど好まない連中が多いのだ」
「そうなのか?」
「あぁ、
その割には俺に対して躊躇なくぶっ放してきたけどな。
そう思ったが、煽った僕も悪いので言わないでおく。
「まぁ、多いってだけでいないわけではないのでそう言う奴は必然的に魔王になりたがるから、それを阻止するって意味で戦いの好まない穏健派から強いのを複数名出して魔王になっている」
「因みに穏健派以外でなったことのある奴はいるのか?」
「あぁ、私の前の奴はそうだった……人族と全面戦争しようとして先陣切って…… そして、死んだ」
先陣切るだけ良い将だ。
あのクソ王は後ろでふんぞり返っているだけだったしな……。
思い返してみれば、面倒事はノウェムか僕に来ていたように思える。
「まぁ、そのおかげで人族が攻撃するきっかけを与えてしまったので私は貧乏くじもいい所だよ……」
彼女の先代の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます