第26話 史上最悪の和歌

「梅子さんにいじめられています。わざとぶつかって睨んできたり、根も葉もない噂話をばらまかれたり、他にも沢山」


「まぁ、なんて卑劣な」


「もう辛くて。でも皆梅子さんの味方だから信じてくれなくて。


こっそり椿さんに相談させてもらいました」


「睡蓮、辛かったわね」


 睡蓮は泣きながら、悲惨な事実を語りました。平和なお屋敷の中でこれほど下劣ないじめが起きていたと思うとショックで溜まりません。



「それに、変な和歌も送ってくるのです」


 睡蓮が言いにくそうにいいました。


「和歌?」


 「姫様、これを」椿が袖から紙をとりだしました。雑にじゃばらに折られた紙を受け取ったかぐやは、息を呑んで和歌を読みました。





睡蓮の

名に恥じるほどの

醜悪さ

尻軽女め

ほんまええかげんにせえよ





 かぐやは眩暈を起こして思わず床に手をついてしまいました。これほどまでに酷い和歌、読んだことがありません。

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