第21話 小さな反省会

 その日の夜、椿とかぐやはお屋敷の中で一番狭い部屋にいました。小さな明かりを灯して、 何やら話をしています。



「それで、金時様はどうでしたか? 良い旦那様になりそうでしたか?」



「もう、大体は分かってるくせに」



かぐやは、その質問を待ってましたと言わんばかりの表情。言えずにため込んでいたものが、もうはちきれる寸前です。



「うーんそうね。こういうときはまず良いところから言いましょう。まず、彼の立場とか名誉に関しては文句ないわね。


たくましくて頼りになるし、きっと知名度もあるわ。


それに性格も優しそう。あまり女性慣れしてないみたいだけど、驕ったりしないところがいいわね。お母さまのことも大切にしているみたいだし……」



 そこまで言ってかぐやは口を止めました。それから、申し訳なさそうに言います。



「ただ、まだ恋愛をする精神じゃないわね。なんか、ママが大好きな男の子と話しているみたいだった」


「なるほど……」



 椿はうんうんと頷きました。その表情はまるで「よく頑張りました」と言っているようです。

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