第19話 強制終了

 「うふふ、素敵なお母様ですね。あ、ごめんなさいもうお琴の稽古の時間ですの。


楽しい時間をありがとうございました」



 かぐやはそう言うと、スクっと立ち上がり一瞥すると、すぐに椿がいるであろう部屋に向かいました。金時が何かを言う暇は与えません。


 客間の前に行くと、障子の向こうから何やら賑やかな声が聞こえました。どうやら、楽しそうに会話をしているようです。ただし、椿の声は聞こえません。



「お話の途中申し訳ございません。私お琴の稽古の時間なのでそろそろ……」



 障子を開けると、椿とヤマの二人がこちらを向きました。ヤマはニンマリとした笑顔で、椿は明らかに疲労した笑顔です。



「あ、そうですね姫様。それじゃ、ここらへんで」


「あらそう? 椿さん聞き上手だからずっと喋っていたいわぁ。お茶も美味しいし。もう少しお話しましょうよ」


 「あはは、もちろん」そう言った椿の顔が偽りなことは、かぐやはしっかり分かっていました。

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