第18話 地獄の時間

「いや、うちのママね、本当に心配性なんですよ。金時は1人でもできるって言っているのに……。戦とか稽古も着いてくるとか言ってきて。


ママの方こそ金時がいないと何もできないくせに」



 彼の愚痴はだらだらと続きます。かぐらは、ずっと彼の話を聞いているフリをしました。「うふふ」と笑いながら全然別のことを考えます。



彼の髪の毛、私が使っている馬油を使えばまっすぐになるかしら。



あの腹かけ、毎日同じやつなのかしら。



椿は今頃どんな話をしているのかしら。



外の鳥たちは家族なのかしら。



今日の夜ご飯は何かしら。



あと何分で終わるのかしら。



 かぐやの口角は上がったままで固定していたので段々ぴくぴくと痙攣してきました。もう、彼のにやにや顔を見るのは勘弁です。

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