第15話 よっ!椿!

「どうでしょう。後は二人に任せて、一緒にお茶でも。最近とってもいい香りの新茶が手に入ったんです。ヤマ様にもぜひ飲んでいただきたくて」


 椿の発言に、かぐやは思わずガッツポーズしました。これでようやくちゃんと金時と二人きりで話すことができます。


「あら本当? ステキだわ。でも金ちゃんは大丈夫?」


 ヤマがそう聞くと、金時は顔を真っ赤にして言いました。


「大丈夫だって。もうあっち行ってよ、ママ」


 その答え方がいかにもマザコンっぽくて、かぐやはまたちょっと引いてしまいました。でもせっかく来てくれた旦那候補、無駄にはできません。


「じゃあお言葉に甘えて」


 ヤマは椿に連れられて部屋を後にしました。退室する際、椿がかぐやに分かりやすくウインクをしました。


(まったく、椿ったらやればできるじゃない)


 かぐやは心の中でそう思いました。


 さて、いよいよかぐやと金時の二人きりの時間が始まります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る