第14話 対談

「すいません金時様。少し取り乱してしまいました。何せ久々の縁談なもので」



 かぐやは、再び簾を持ち上げて金時と対面しました。彼は怒っている様子もなく、ただいきなり表情がなくなったかぐやを心配しているようでした。


「いえいえ、こちらこそいきなり来てしまって申し訳ない」


「本当だわ。せめてもう少しちゃんとした格好させたかったのに」


「ちょっとママ、静かにしてて」



 金時の横にいる女性は、相変わらず金時にべたべた触っています。



「失礼ですが、そちらの女性は? お母さまでいらっしゃいますか?」



 かぐやが聞くと、女性はちゃんと座り直して嬉しそうに答えます。



「私、金時の母親のヤマです。この子ったら力はあるくせに女性関係はめっきり! 一人じゃ何にもしないもんだから、私が縁談を申し込んだんです。


最初は『何勝手に申し込んでるんだよ』と怒られたんですが、かぐやちゃんの顔を見たらやる気になってくれてみたいで」


「ちょっとママってば!」


 金時が、慌ててヤマの薄紫の口を塞ぎます。それでも彼女はまだ何か喋りたそうにしています。

かぐやは色々とツッコみたいところでしたが、もうどこから手をつけていいか分かりませんでした。それを見かねた椿が、「あの、」と喋り出しました。

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