帝都学習館学園七不思議 音楽堂の鏡台 後日談 その1

 お嬢様はゲームが好きで、今日はおつきのメイドを連れて近くのゲームセンターに遊びに行く事にした。


「お嬢様! これやりましょう!」

「えっ? なんですの?」


 メイドが指さしたのはクレーンゲーム。

 中に入っているのは可愛いぬいぐるみで、それを見てお嬢様は首を傾げる。

 だがメイドはすぐにコインを入れて操作をし始めた。


「えいっ」

「えぇ!? そんな無茶苦茶ですわよ!!」


 アームを操作してぬいぐるみを掴み取ろうとするが、全く取れる気配がない。

 しかし諦めずに何度も挑戦するメイドだったが、結局取れずに終わった。


「くぅ……もうちょっとなのに……」


 悔しそうにするメイドだが、お嬢様としてはそこまでして取りたいのかと疑問を抱く。


「そんなに欲しいんですか?」

「はい。私、この子の大ファンなんですよ」

「そうなんですの……あっ」


 ふと、お嬢様はある事を思い出す。


(確かこの前、お兄様に買ってもらったぬいぐるみもこんな感じでしたわね)


 数日前に兄からプレゼントされたぬいぐるみ。

 それは可愛らしい犬のぬいぐるみだ。

 そのぬいぐるみは今も大切に保管されており、たまに抱きしめたりしている。


「……」


 そこでお嬢様は自分の財布を取り出して中身を確認する。


(よし、これだけあれば大丈夫でしょう)


 そしてお嬢様はメイドに向かって話しかける。


「少し待っていてくださいまし」

「えっ? はぁ……」


 メイドを置いてお嬢様はゲームセンターを出て行った。

 お嬢様が再びゲームセンターに戻って来るまでおよそ十数分。

 両手には先ほど手に入れたばかりの犬のぬいぐるみを持っていた。


「はい。これをどうぞ」


 お嬢様は持っていたぬいぐるみを差し出す。

 するとメイドはとても驚いた表情を浮かべた。


「いいんですか!?」

「えぇ、差し上げますわ」

「ありがとうございます!!」


 嬉しそうなメイドの笑顔を見て、よかったとお嬢様も笑ったままだった……






 放課後の休憩とばかりに私設トイレの休憩室で読んでいた本を閉じる。

 華族があり執事やメイドが前世より一般的という事はそういう文学やコミックもある訳で。

 なんとなく本屋にて絵で手に取って読んでみたのだが、思ったのはこれが普通のお嬢様とメイドという奴で、私はその一般的お嬢様とは違うという事だ。

 世のお嬢様はゲームセンターに行く前にゲームメーカーを買ったりしないし、近くにゲームセンターを建てたりしない。

 どうしてこうなったと自問自答していたら神奈水樹がふらっとやってくる。

 側近団の警戒もあるのだが、だんだん蛍ちゃんちっくになりつつあるなこいつなんて思っているのをおくびにも出さずに、目で『何?』と語れば、神奈水樹もあっさりと話題を口にする。


「ちょっと、オカルト絡みの件で厄介な事が起こっているの。

 元が元だけにクライアントである桂華院さんにも報告を……ね」


 隣にいた橘由香と久春内七海が警戒モードに入るが、神奈水樹は飄々とした態度を崩さない。


「ほら。

 音楽堂の鏡台があるでしょう?

 あれの調査が難航していてね」


「あれか……」


 中等部に入ってから、定期的にやってくるオカルトというかファンタジーというかそういう事件の数々である『帝都学習館学園七不思議』は神奈水樹の専任事項だ。

 その始まりの音楽堂の鏡台は、私が買い取って神奈に預けたのだが、その調査が難航しているというのだ。


「あの手のモノはまずは履歴を調べて、それから背後を探るのよ。

 ところが、アレ樺太から流れた上にアンダーグラウンドマーケット経由みたいなのよ。

 全体像が神奈でも把握できないの」


 神奈水樹の一言で私の顔にも警戒の色が浮かぶ。

 オカルト絡みで一家言ある神奈でもモノの履歴が把握できない?

 その意味を理解できないほどここにいる面子は愚かではない。


「何か必要?

 この件については、欲しい物は全部出します」


「さすが桂華院さん。

 その即決には感心するしかないわ。

 神奈は占い師でオカルトにはある程度対応できるけど、これの履歴を探るには、そっちのプロが要るわ。

 知り合いに、美術品とかを扱う貿易商とか居ない?」


 こいつ、私が言質を与えた上で話を持ってきやがる。

 そんな都合のいい人間が不思議なことに一人いたりするのだ。

 我がかわいい妹である天音澪ちゃんのお父さんだ。


「巻き込む理由は?」


「この国、呪殺は罪に問えない。

 未遂とはいえ、それを起こしかけたあの鏡台の情報はできる限り漏らしたくないわ」


 私情ではなく、こちらの安全を配慮しての提案か。

 これはさすがに断れないわ。


「わかりました。

 由香さん。澪ちゃんがまだ学校に居たら呼んでくれない?

 『一緒に帰りましょう』って」




 その日の夜。

 天音家にお邪魔した私たちはそのまま相談という形で澪ちゃんの前で鏡台の話をする。

 澪ちゃんに隠し事はしたくないというのもあったが、澪ちゃんは腰に手を当ててプンプンである。


「何で瑠奈お姉さまはそんな危ない事をしたんですか!!!」


「……反省しております。はい」


 潔く頭を下げる私。

 泣き顔で怒るから、根がパンピーな私は正直土下座をしようかという寸前だった。

 ここでは澪ちゃんの方が正しいので頭を下げる私をお父さんが宥める。


「澪。

 お嬢様が困っているじゃないか。

 モノについては見させていただいても?」


「ええ。こちらに運んでもらいます」


 天音家の応接室に居るのは私、澪ちゃん、澪ちゃんのお父さん、神奈水樹の四人だけ。

 橘由香と久春内七海は控室で澪ちゃんのお母さんのお茶にお呼ばれしているはずだ。

 私たちの前に出されているお茶とお菓子も彼女の手作りで美味しいのだ。

 澪ちゃんのお母さんは元メイドなだけにいい刺激になるだろう。

 そんな感じで待つ事一時間ばかり。

 応接室に来た鏡台を前に、控室の三人も集まって話題のソレを眺める。


「鏡に目を合わせないでくださいね。

 何が起こるか分からないので」


 神奈水樹の注意喚起が真剣なだけに誰も鏡を覗こうとしない。

 澪ちゃんのお父さんは、周辺の飾りとかを虫眼鏡に確認しつつあっさりと断言する。


「これ、樺太のブラックマーケットから流れたって神奈さんは言ったね?

 多分そこから違うな」


 さすがプロと感心した私は、澪ちゃんのお父さんの一言に更なる厄介事がと頭を抱える。

 プロとして澪ちゃんのお父さんは断言したのである。


「装飾周りは継ぎ接ぎだらけで、年代物ではあるが偽物。

 鏡が本物だと仮定して、そういうオカルトな事件が起こったのならば、多分鏡だけが魔鏡の類だと思う」


 と。




────────────────────────────────


元ネタが元ネタだからお父さんの名前は天音吾郎にしておこう。

そうなると元メイドのお母さんの名前は天音シャーリーンという事で。


冒頭の小説

 AIのべりすとで作成。

 で、それを参考にしてできたのが『お嬢様「の」ゲームセンター』の三作品である。

 課金したので、もう少し色々試す予定。

 筆が止まった時に続ぎをときかく自動的に書いてくれるのはガチでありがたいぞ。

 あと、エロは私より上手い。


https://ai-novel.com/


 なお、あの小説のシュチュが久春内七海の設定にハマるので、この話のエンディングは決まった。

 彼女が冒頭の小説を読んでドはまりである。

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