小ネタ劇場
この年冬に公開される某映画の制作費用を出したとあるご令嬢は香具師を呼び出してとある事を聞いた。
「え?
刀と銃どっちが強いかって?
そりゃ銃だろう。
刀は振り続けて切り続けてやっとものになるが、銃は引き金を引けば相手を殺せる。
そういう意味じゃ、刀ってのは時代遅れなんだよ。
だが、そんな刀で銃を凌駕しようとした馬鹿は戦後の時少し居てな。
チャカ、拳銃が主体だったからまだ刀のアドバンテージが作れる場合があったらしくてな。
そんな連中いわく、『一発だけならはじける』。
かっこいいなぁと思ったが、そいつらの続きが情けなくてな。
『決まったと思ったら相手はリロードして二発目を撃ってくる』。
浪漫は現実に敗れるものなんだよ。嬢ちゃん」
「つまり、一発だけならはじけるのね!?」
「「「だめです」」」
香具師の思い出話に目をランランにしてやる気満々だったご令嬢は、米露双方のメイドと秘書の同時ツッコミに即座に撃沈する事になった。
なお、その映画の日本版CMでとあるご令嬢がとてもオサレポーズでスタントなしのガンアクションを披露するのだが、『あのお嬢様が映画に出てないじゃないか!!!』と観客から総ツッコミを受けてその映画は大炎上したらしい。
桂華グループ内部には社会還元事業というものがある。
溜め込んだ富を社会に還元するまんまの事業なのだが、それで設立されたのが義手義足、人工臓器まで含んだ義体事業である。
元々のグループの源流が製薬事業で医療関係に詳しかったのと、9.11から始まる非対称戦争にて発生する負傷者ケアを先取りするという名目があったが、それを主張する某お嬢様の一言が全てを物語っている。
「全身義体ってかっこいいと思わない?」
そんな感じで始まったこの義体事業だが、当たり前のように米国が食い付いた。
義体の果てがロボットであり自動兵器であるという事を米国は確信しているからで、個々の技術については優位にあるのに、グランドデザインが基本無い日本企業に替わってこの技術開発を主導するのはある意味当然と言えよう。
で、お嬢様出席の第一回グランドデザイン会議にて、日米の参加者は双方目が点になる。
「「何でお前らメイドロボ作ろうとしているの?」」
そう。
日本の若き研究者がこのグループに何故か入り込み、熱い妄想を垂れ流したからにほかならない。
なお、この研究者、某九段下のメイド喫茶常連であり、社会還元事業の事を知ってメイド経由でお嬢様に直訴し、その素晴らしさからエロゲーを布教しようとして、秘書から激怒の出禁を言い渡されて土下座して許してもらったとか。
そんな彼の新たなる野望は、お嬢様にあの歌を歌わせることらしい。
なお、その妄想に感動したお嬢様の鶴の一声にて、メイドロボ制作事業に億単位の金がぶち込まれて、その研究者が真っ青になったオチまで記しておく。
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映画
『リベリオン』ガン=カタと言った方が分かりやすい。2002年12月公開。
なお、お嬢様が極める予定のヤンマーニこと『MADLAX』は2004年。
義体
『攻殻機動隊』。
問題なのはこのあたりの年代はエロゲ大ブームな訳で、マルチとセリオの『To Hearts』に人生狂わされた連中が研究者としてのキャリアを始める年代でもあった。
なお、この某研究者が歌わせようと企むのは『鳥の歌』。
大仏
えちぜん大仏
写真を見て、これは映画撮影になら使えるなと思い……
サムライ映画
『ラストサムライ』これ2003年公開だから、日本ロケにうってつけとピンときた。
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