第6話 いなくなった人々

最近私のTwitterでのフォロワーさんが減った


いや、正確には減ってない

ただ数は減っていないのにツイートを見かけなくなったのだ


毎朝律儀におはようツイートをして夜も配信をしていたピギーさんも毎日父の日カウントダウンをやっていた山田くんさんも美味しそうな料理をupしていたたかじんさんも最近見かけていない


それとほぼ同時期に増え始めた不審者情報

視界の隅に映るピンクのコートの女


最初は少しとオカルト垢でツイートされれていたのが

一度画像が挙げられてからは「私も見た」という日本全国各地のツイートでTLが埋め尽くされていた


それを見てると同じ時間帯に色々な場所に現れる


だがこのふたつは実は繋がっている


私にはそれがわかる


だって、

だってそれが私の前にも現れたから…


最初は気にならなかった

いや、気にはなっていた

だがいつも目の端にいるようなそれはだんだん近づいてくる


その度に前にうさぎに噛まれた傷口の痒みが酷くなる

そういえば山田くんさんは「乾燥肌で肌荒れが痒い」って言ってた

ピギーさんは「今年は花粉症で目がかゆいと嘆いていた」

たかじんさんは「料理で火傷したところの瘡蓋が痒い」と言っていた


あのフォロワーさんもあのフォロワーさんもあのフォロワーさんも…


消息を絶ったフォロワーさんはみんなそう


思いついた時には遅かった


消えたフォロワーさん達から一斉に来たDM


『私

カユミちゃん

あなたの

近くにいるの』


うさぎたちの怯えゲージが倒れる音を確認する余裕もない


噛まれた傷口が痒い、かゆい、カユイ、カユイ


逃げ回るうさぎの足音も聞こえない


まるでこの世には私し1人しかいない…

そんな世界に取り残されたような気分の中、私の後ろから声が聞こえる


「私カユミちゃん

かゆいでしょ?痒いの嫌だよね」

カユミちゃんの手が肩にかかる


━━━━━━━


千葉にいたはずのカユミちゃんかすぐ仙台に現れた理由も


だって私ももうカユミちゃん


もっと痒みから解放させてあげなくちゃ…



「ワタシカユミちゃんイマあなたのそばにいるの」

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Twitter都市伝説カユミちゃん 鬼童丸 @kjdoumaru

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