第4章 エピローグ
第34話 レオは真っ白?
「ふぅ。終わりましたわ。何でこんなに大事になったのかしら?」
「う、うぅ~ん」
「レオ!?」
一面の荒れ地に暫し、放心状態になっているとレオの声が聞こえたので我に返りました。
彼の一挙一動でこんなにもドキドキする理由が分かりません。
でも、早く彼の顔を見たい。
太陽のような笑顔でいてもらいたい。
つい無意識のうちに駆け出して、レオの元に向かっていました。
「レオ! 大丈夫なの?」
「だ、大丈夫だよ」
「本当? 鼻血まで出ているわ。頭を打ったせいかしら?」
「え? あれ? 本当だ。何でだろう」
レオの視線がなぜか、わたしの下半身に向けられていたのと鼻血で気が付くべきでしたわ。
なぜか、スースーしていた訳を!
下着を穿くのを忘れてました……。
つまり、駆け出したので短いスカートの裾が捲れて、もろにレオに見られていた訳ですから……死ねますわ。
「レ、レオ……見た? 見たでしょう? 見たわね?」
「み、見てないよ。ピンクの色をした貝……」
「きゃああああああ」
レオの頭に新しいたんこぶが一つ増えましたけど、自業自得ですわ。
だって、見られましたのよ?
まだ、付き合ってもいないですし。
レオはまだ、小さくて、子供で……。
わたしは大人になってますけど、そういうのは早いですわ。
それから、転移門までわたしは無言を貫いてますの。
わたしにとっては一大事なのにレオはそうではないみたいなのが、腹立たしいんですもの。
「ねえ。リーナってば。何でそんなに怒ってるの?」
「怒ってませんわ! 見たでしょう?」
「み、見えただけで事故だよ」
「故意に見たのなら、もっと問題ですわ!」
「何で?」
あら? これはレオとわたしの間に盛大な齟齬が生じているのかしら?
「見られるとそんなに問題なの?」
「それは……えっと……恥ずかしいですもの」
何の邪気も感じさせない真っ直ぐな瞳で聞かれるとわたしの方が悪い気がしてくるのはなぜですの?
見られたわたしが被害者だと思うのですけど。
「そうなんだ。島では誰も気にしていなかったからなあ。じゃあさ。僕のも見せれば、いいのかな?」
「ふぇ?」
どうして、そういう話になりますの?
わたしがレオのを見たら、あいこになるのかしら?
いいえ、なりませんでしょう!
それともわたしの方がおかしいのかしら。
「ちょっと待って。今、脱ぐから」
「脱がないでいいですわ」
立ち止まるとおもむろに本当に脱ごうとするレオはどこまで純真なんですの。
これでは怒っているわたしが悪いのですわ。
えぇ? 本当にわたしが悪いのかしら?
「そうなんだ。分かった」
そう言って、大口を開けて、太陽のような笑顔を見せられると何も言えないのですけど!
全部、許せますわ。
「リーナは何でついてなくて、きれいなピンク色の貝なの?」
「うっきゃあああ」
「あいてっ。痛いよ。リーナ」
ぜぇぜぇ。
何でわたしがこんなに興奮しないといけませんの。
つい反射的にまた、レオの頭を叩いてしまいましたわ。
レオの頭の中にはそもそも、男女の違いも何も一切の知識がなかったのよ。
だから、わたしのを見ても純粋な疑問しか、浮かんでこない。
自分のを見てもいいという発想に繋がりませんものね。
そうよ。
レオは純真で愛らしい……あれ?
やぁ。
何で触られている訳!?
「レ、レオ君……その手は何かしら?」
「思った通り、柔らかいね。僕のはもっと硬いよ」
「レディのお尻を触ってはダメよ? 分かったら、やめてね」
「わ、分かったよ。リーナにやってはダメなんだね」
「んんん?」
この言い方、引っかかりますわ。
わたしにやってはダメ。
他の人にやる気なのかしら?
ダメ! ダメですから!
「コホン。分かりましたわ。わたしにはしてもいいわ。他の人にはしたら、ダメだからね? 約束よ?」
「分かった!」
だから、何でそんなにハキハキと純真なの?
眩しいわ。
わたしの方がきっと心が汚れているのですわ。
許可したのはわたしなのに激しく、後悔してますの。
レオは筋肉の付き方が気になるとお尻を触っていたはずなのに妙に手つきが……いえ、まさか、そんなはずがないわね。
あんなにも真っ直ぐな瞳でいい子なのよ?
そんなはずないわ……。
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