第104話 レンブラント王国との友好条約

魔王エルネスがジン達の家に来て楽しい時間が過ぎ、今日は王都に向かって行く日が来た。

王玉との会談は午前10時からでジン達は少し早めの朝食を皆で取り、9時に『空飛ぶ車』に全員が乗り込みセモアの街から王都ダルゼに【転移】で一瞬にして王宮の門の前に現れた。


衛兵に王様との謁見の旨伝えると、既に衛兵達は通達が回って聞いていて、直ぐに執事長が現れ、王宮の客間に通された。


王宮の侍女達がお茶菓子とお茶を持って来た。


「ジンパパ、このお菓子はパパのところのとは味は雲泥の差でごじゃるな!パパのところの御菓子を食べたら他のは食べれないですじゃ」


「あらあら、あまり本当のことは言わないのよ、エルネスちゃん」とイリーナが笑いながらたしなめる。


そんな時に、ノックをしてハリス侯爵様が入って来た。


「ジン殿、この度は色々お世話になりもうした。心よりお礼を申す」


「いやいや、自分が出来ることを皆でしたまでです。ハリス侯爵、こちら魔王エルネスティーネ殿です」


「ハリス侯爵と申します、ジン殿とは友の間柄今後ともよろしくお願いします」


「エルネスティーネでござる、この度は貴国との平和条約をジンパ、いやジン殿のお陰で結べることとなり嬉しく思う、今後ともこれを機会によろしくでござる」


「それでは条約の準備も整いましたので、場所を移動しましょう」とハリス侯爵が先頭にジン、エルネス、ゲルハルト達が続いた。


王宮の中でも一番豪華な会議室でレンブラント国王グルバートが座りその横にハリス侯爵、騎士団長、反対側に宰相殿、が並び魔王クリスティーネ、ゲルハルト、騎士団長と反対側にジン、ヒューイが並んで向かいあった。


「この度は遠路はるばる我が国レンブラントにおこし頂きかたじけのうござった。私は国王のギルバート・フォッサ・レンブラントでござる」


「ご丁寧なご挨拶、痛み入ります。私は魔族国国王、エルネスティーネ、こちらが宰相のゲルハルトでござる」


お互いが挨拶をしあって、和やかな雰囲気で条約をつつがなく結ぶことができた。

殆どゲルハルトとレンブラント王国の宰相との会話で行われ、エルネスはうなずくだけだったが!


魔族の国にも冒険者ギルドが其々の街に設置されることとなり、魔族のステータスと実力を鑑みて、魔族はDランクからのスタートとなった。


また、魔族国のダンジョンは非常に難易度が高く全てAランク以上のダンジョンに指定され、パーティランクB以上からの冒険者のみが討伐を許されることとなった。


細部まで条約を打ち合わせを行い、レンブラント王国と魔族国ヨーゼフは晴れて友好国となった。


ちなみに今まで魔族国は国名を持っていなかったが、ジンの提案で先代の大魔王ヨーゼフ殿の名前をとって、ヨーゼフ国として、条約を結んだ。


ジン達一同は一旦セモアに家に戻り、その後みんなでヨーゼフ魔王国に渡りインフラの整備とヨーゼフ王国の立ち上げを手伝うことになった。


「クリス、準備はいいか?イリーナさん達も大丈夫だね?」


「ジンパパ『転移柱』とストレージで荷物や人員をレーピアに運べば一瞬じゃな!」


ジンは皆の荷物や『マジックアイテム』等を次元ストレージに入れて皆と『転移柱』で一瞬にして魔王城に着いた。


早々騎士団5人は城に残った騎士団25名と王宮の大広間に集められ、宰相ゲルハルトから叙爵を受けた。


筆頭騎士団長ダルブレヒトが公爵として、ノースアイランド旧エルケハルト領地、副騎士団長エックハルトも公爵としてはラックアイランドの王都レーピアを含む海岸線の領地、以下30名全て騎士団を兼ねた侯爵、伯爵に叙爵してそれぞれの地で

騎士達を募集することを宰相が命じた。


それぞれの騎士達は家族を伴い各都市の領主館へとジンが【転移盤】を出してイリーナ、イザベラ、イリアに頼んで其々の赴任地に転移してもらった。


ジンは魔王城の上下水道処理等水回りを改良してレーピアの街並みの上下水道の整備を【土魔法】で掘削し、ゴーレムを30体【複製魔法】で作り込み配管設置作業をさせ、各家庭の夕飯前には作業を終了させた。


明日は両公爵領地に赴き、上下水道、道の整備をする予定だ。


夕食をエルネスティーネ、ゲルハルト、イリーナ達と一緒に食事をして、明日の予定をゲルハルトに伝えた。


「ゲルハルト殿は王都で騎士団の募集、衛兵の募集をし、イリーナさん達は王都の道路の整備と街路灯の設置をたのみます」


「俺は公爵殿の領地2箇所のインフラを終えてくる」


「私はゲルハルト殿の手伝いで騎士団の選別を模擬戦で選んでいくわ」とヒューイがいい、ドールが【鑑定】をして、将来性、人間性をチョイスしていくことになった。


「妾はジンパパに付いて行くのじゃ!」


「エルネスはこの王宮でデンと構えていなければだめだろう!」


「妾も皆の役に立ちたいのじゃ、ジンパパと公爵領を見ながら何が必要か民にききながら国に何が足りないか具に見て行くなじゃ」


「まぁ、それも必要かな?それじゃエルネスは俺と一緒に各地域を見て回るということで早めに休んで明日早朝に活動開始だぞ!」


翌朝、皆は早々に朝食を食べるとイリーナ達3魔女はネーピアの街に出て行き、道の整備を【土魔法】などを駆使して整備を始めた。


ジンとエルネスは筆頭公爵ダルブレヒト公爵の城に赴き、上下水道の処理をして、トイレ、お風呂、台所を直して、下水処理も完了し、街並みの上下水道システムを30体のゴーレムとともに昼前に済ませた。


「ジン様、公爵邸が見違えるほど快適になりました。皆がトイレとお風呂に驚いて大人気でござる」


「そりゃ、良かった!公爵もこれから大変だが頑張ってください」


公爵領もゴーレム30体が下水管、水道管を埋め込んでほぼ街のインフラ整備を終えて、一旦王宮に戻って来た。


1週間ほどジン達がネーピアに滞在してほぼ荒廃していた魔族の国をインフラだけは整備を終え、あとは人材育成ということで新たに騎士団に雇った100名の教育を宰相のゲルハルトが汗を流して教え込んでいる。


「ゲルハルト殿、我々は一旦レンブラント王国に戻り、ギルド統括と話し合って魔族王国にも冒険者ギルドを設置すべく交渉して6箇所程設置することになった。


友好条約を結んでから3ヶ月程経ち、魔族の国ヨーゼフ王国はやっと国として歩み始めていた。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る