第97話 魔族との戦い(シルコレア編3)
ジンとヒューイは宿の裏庭で身体慣らしのため模擬戦を軽くして体を温めてから二人でシャワーを浴び、着替えて階下の食堂に降りてイリーナ親子達と朝食をとり冒険者ギルドに向かった。
冒険者ギルドではケビンがAランクのパーティー5名とジン達を待っていて、すぐに魔族の潜む街の外の岩穴に向かった。
まだ早朝と言うこともあり、岩穴には日差しが入ってこないが、かなりの禍々しい大量の魔力が外に溢れ出ているのがジンにはわかる。
「洞穴に我々が入るのは狭いし、こちらには不利なので先ずは【ファイアボム】あたりの火炎系魔法を放って穴からあぶり出します」とジン。
「ケビンさんと冒険者のパーティーの人たちは万が一のことを考え、彼に悟られない位置で私たちの戦いを見守って、何かあれば直ぐに街に戻り対応を考えてください」
「わかりました、ジンさん達がもし負けるようなことになれば、冒険者を総動員して対応に当たっても勝てるかわかりませんが・・・」とケビンは心配そうに答えた。
「多分大丈夫です。特に特別なスキル持ちでもないので我々6人で十分対応出来ると思います」とジンが答え、それぞれ配置についた。
イリーナが『魔力増幅器』をして強烈な【ファイアボム】を岩穴に向けて放った!
通常の魔物であれば骨だけになって一瞬で焼け溶けて骨だけになる威力だ。
岩穴から羽を焼かれた魔族1体が出て来た。
イザベラ【エアカッター】を放つがフラフラしながらも何とか剣でそれを防ぐ魔族、直ぐに【ダークアロー】をイザベラに放った。
イザベラは【シールド】を事前にしているためそのダークアローをはじき返している。
その隙を見逃さず、ドールが【縮地】で一瞬に間合いを詰めて首を切り落とし、片付けた。
「何とか短時間で片付いたな!次の森に向かいましょう」とジンがギルマスと冒険者達に『転移石』を渡した。
「こここれは貴重な転移石じゃないか?」冒険者の一人が叫ぶ。
「ええ、ダンジョンで結構ドロップした宝箱で手に入れたので使ってください」
「こんな貴重なものを今使ってしまって構わないのか?」と他の冒険者が心配して聞いてくる。
「時間が勿体無いので構わないよ」とジン。
皆が一瞬でもう1体の潜む森の前に転移した。
ジンが<タブレット>に【サーチ】地図を表示させて魔族がいる太い木の地図を画面に表示させた。
魔族は大木の20メートルほど上の枝で体を休めて下界を伺っている。
「ここは俺が直ぐに片付けたいので離れて気がつかないこの位置から『魔導銃』で彼の心臓と魔石を打ち砕くよ」
そう皆に告げるや否や【エナジーボルト】と念じて連射し強烈な”気が圧縮された弾丸”を心臓と魔石に放つと、魔族は魔力を感じた瞬間には自分の心臓と魔石を打ち砕かれて20メートル枝から落ちて来て地面に死体を横たえた。
「何をしたのですか?」とギルドマスターのケビンがジンに聞いた。
「【エナジーボルト】と言う魔法を放って心臓と魔石を撃ち抜いて殺しました」
「【エナジーボルト】とという魔法は私は知らないのですが、ジン殿の特別スキルではないのですか?」
「いやいや、無属性魔法の魔法特性がある人でレベルが3以上あって、”気”を扱えれば誰でも取得できる魔法ですよ」
「初めて見た魔法です」と冒険者たちも口を揃えて言った。
「それよりも時間が勿体無いので死体を回収して最後の1体が隠れている肉屋に行きましょう、店を開いて客が沢山いると人質に取られても厄介なので店を開ける直前には店前にいたいから」とジンが森から再び『転移石』をケビンと冒険者達に渡して街
の一角にある肉屋の前に【転移】した。
幸い未だ店はオープン前で店主がオープン準備中だった。
ケビンが店主に簡単に説明して店から少し離れてもらい、ヒューイが『神龍剣』を抜いて、店に入り魔族が驚いた刹那、魔族の魔法とスキルを奪い取り、魔法で店が破壊されることだけは防いだ。
ヒューイが「お前は上手く化けている様だけど私の鼻を誤魔化すことはできないわ!魔族特有の匂いは隠せないものよ」
魔族は直ぐに魔法を放って攻撃しようとするが魔法が発動できない。
「貴様、俺に何をした!」
「何も、ただ魔法とスキルを奪い取っただけよ」
「貴様は俺がこの剣でその生意気な首を切り落として口が利けなくしてやる」
と襲い掛かるが、ヒューイの前では相手にならない。
軽く躱され『神龍剣』で首を切り落とされた。
念のため、ヒューイは心臓と魔石に剣を突き刺してトドメをして回収した。
結局3体の魔族を倒すのに1時間とは掛からず何とかスカイヨークの3体の魔族を倒し依頼達成をしてギルドでケビンから白金10枚を受け取りユースダレーの魔族討伐に赴いた。
ユースダレーはスカイヨークの北50キロの中都市で『空飛ぶ車』で飛んで行き午前中の10時前には着いた。
飛行中に<タブレット>の【GOD】で魔族の潜む場所は確認しており、スキルは相手の放つ魔法を瞬時に分析コピーできる”複製魔法”の特殊なスキル持ちで魔力が5000と大量の魔力を持っていることがわかっている。
そのため今回は相手に魔法を放つことは禁じ、あくまでも攻撃は素手、剣術でいくことにして、ドールが対処することにした。
冒険者ギルドに入っていつもの通りギルマスに魔族討伐に行く旨伝えて魔族が潜む
街を出て小高い丘に来た。
ジンは『魔導銃』を使い彼が潜む岩穴目掛けて【ファイアスプラッシュ】を放った。
相手はジンが放ったわけではないため、魔法を感知しても解析やコピーをできないが感知した時点で直ぐにシールドでそれを防いだ。
ジンはシールドで防がれるのを見越してアダマンタイト製大剣『剛力』を構えて凄まじい剣捌きで斬撃を加え、そのシールドを破壊した。
シールドが壊れたのを確認してドールが穴に突撃して行く。
魔族はドールに向かって【ブリザード】を放って凍らせるつもりでいるが、ドールは自家発熱でそのブリザードを一瞬にして解かし、魔族に肉薄する。
慌てた魔族は剣でドールを薙払おうとするが、ドールの『雷剣』が弾いて魔族は雷に打たれ手の痺れで剣を落としてしまい、ドールによって首と胴を切断され屍になって横たえた。
ジン達は直ぐに回収して、冒険者ギルドの素材置き場に魔族の死体を納品してギルドマスターから白金10枚を受け取り半日で4体の魔族を仕留め、白金を合計20枚もの大金を得た。
ジン達はユースダレーの街の定食屋で昼食を6人で食べ最後の魔族討伐地パラメーラに向かうことにした。
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