第84話 エリオット侯爵領パラメーラ

ジン達は<タブレット>の【GOD】を駆使して2日間で帝都のエリオット侯爵の手

下を殲滅して、いよいよエリオット侯爵領パラメーラに向かうことになった。


皇帝には敢えて魔族が帝国内に人間族として化けて潜入していたことは言わなかったが、いずれ魔王の軍勢とも一戦を交えることになるだろうと思いながら朝食を食べるジン達。


「ジン、エリオット侯爵のところに『空飛ぶ車』に乗って【転移】する?」


「そうですね、飛んで行っても良いのですが今日向こうに行っておいて、様子を見てできたら早々に処理して午後には皇帝に報告したいと思ってます」


「それじゃ、皆んな『空飛ぶ車』に乗り込みましょう、私達の『簡易転移盤』では行ったことがないところは行けないからジンの車で【転移】して行きましょう」


ドール、ヒューイ、イリーナ親子とイリア叔母さん、それに『フジ』を乗せてジンは<タブレット>の【GOD】に『パラメーラ、エリオット侯爵邸体格の人がいない場所』とenterキーをポチって【転移】を発動させた。


皆を乗せた『空飛ぶ車』は侯爵邸のすぐ近くの森の中に【転移】した。


<タブレット>の【GOD】に『侯爵近辺に居る騎士団長、魔法師の居場所』と打ち込みenterをポチった。


侯爵の執務室の両サイドに騎士団長と騎士5名、それと反対側に魔法師3名が控えていた。


「イリーナさん、ここは乗り込まないでこの距離であれば<タブレット>の力も借りて俺のスキル【魔石師】で侯爵を病死に見せかけて殺しましょう。そうすれば騎士団とも魔法師とも戦わずして侯爵を葬り去れますから」


「ジン例の【魔石師】って魔石を奪い取ったりするスキルね?」


「はい、彼の心臓を遠隔で握りつぶせるのでここからならスキルが届くきょりですからやって見ます」


そういうと、ジンは<タブレット>に表示されて居る侯爵執務室を見ながら念を込めて【魔石師】を発動させた。


事務作業をしてペンを走らせていたエリオット侯爵は急に胸が苦しくなり、手で胸を押さえながら悶えて椅子からどさっと倒れて動かなくなった。


<タブレト>の表示画面からエリオット侯爵の赤点が消えた。


再び『空飛ぶ車』で帝都の”ほたるの里”の裏庭に【転移】した6人はゆっくり歩いて宮廷に向かった。


皇帝に面会を求め皇帝の部屋に案内された6人は、エリオット侯爵は心臓麻痺で急死したようにして葬ったことを伝え、魔法師や騎士団達には手を出さないで帰って来た旨伝えた。


皇帝から依頼達成の用紙にサインを貰い、シルコレア帝国を自由に通過で、全ての帝国内の宿が無料になる『皇帝の鍵』というマジックキーを受け取った。


お昼を一緒にという皇后さまの誘いを丁寧に固辞し、帝都の冒険者ギルドに向かった。


皇帝からの依頼完了のサインが有る依頼書を提出して受付で待つこと5分。

すぐにギルドマスターのボロンさんが降りてきて「ジン殿、この度は裏ギルドの2000人もの指名手配犯を全て処理していただき本当に何とお礼を行って良いか・・・」

「いやぁ、我々も帝都市民が無差別に巻き込まれて被害にあうのを黙って見過ごせなかったのでよかったです」


ボロンから依頼達成金を白金95枚という莫大な金額を受け取った。


ジン達は”望郷のダンジョン”はまたの機会踏破しようと、とりあえず魔族のことが気にかかるのでレンブラントに戻ることにした。


ジン達は皇帝から頂いた『皇帝の鍵』と白金95枚の大金を得て、一旦レンブラント王国のセモアに一旦【転移】で戻ることにして『空飛ぶ車』に乗り込み一瞬んでセモアの自宅に戻って来た。


ジンは帝国には何も言わなかったが魔族が人間社会に入り込んで来て居ることに少し危機感を感じ、イリーナにその辺を聞いてみる。


ドールがみんなのお昼ご飯をかき揚げ天ぷら手打ちうどんにして5人前を作り食べながら魔族の件を話し合っていた。


「ジンもヒューイちゃんもドールも一緒に見たわけね?二本の角を持ち、全身真っ黒で尻尾が生えて居る魔物を」


「相手は人間に化けていたのにと言っていたよ」とヒューイが3人の魔女達にいう。


「ここ数十年魔族がこの人間や獣人族の世界に現れたとの記録はないわ、これはハリス侯爵さんに『遠距離通話器』ですぐ連絡を取っておいた方が良いかもしれないわね」


うどんをちゅるちゅる音を立ててヒューイがかき揚げうどんを食べながら、「魔族はパパに言わせると魔力が4500、4属性の全てのレベルがLV30以上でスキルも結構面倒なスキルを持っていたそうだよ」


「それじゃ、私たちでも相手するのはなかなか手厳しい相手ね」とイザベラ。

「ジン、取り急ぎハリス侯爵に連絡をして見て」


「その前にイリーナさん、今俺たちの世界に魔族がどのくらい浸透して来て居るか<タブレット>の【GOD】に問い合わせしてから侯爵さまに連絡しようよ」


そう言って、ジンは<タブレット>を出して【GOD】に『魔族が侵入して居る場所を表示』と打ち込みenterキーをポチった。


すると赤い点が数十箇所にも昇るではないか!

しかもレンブラント王国にも既に王都ダルゼ、ケーベル、ブルーノ、キースの4箇所も潜んで居ることが判明した。


すぐにジンは『遠距離通話器』でハリス侯爵に連絡する。


「もしもし、ハリス侯爵さまでしょうか?お久しぶりです、ジンですがシルコレア帝国の皇帝の依頼で反乱を沈めたのですが、その反乱分子に魔族が一人紛れ込んでいて今背モアに戻り魔族が我が国にも潜んでいないか【サーチ】して見たら何と4箇所の都市に潜んで居ることがわかりました。それでご連絡した次第です」


「どういう目的かは知りませんが、人間族や獣人族には良い印象を抱いてはいませんね!」


「わかった!わしはそうそう王様とも打ち合わせをしてまたジン君に報告する」


ハリス侯爵には一応伝えて、セモアのギルド経由で全ギルドに連絡が行き渡るようにジンは手配をした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る