第83話 皇帝からの依頼2日目
ジン達はシルコレア帝国の皇后様と王子二人を裏ギルドの殺し屋達の攻撃から守った縁で皇帝夫妻から市民の命をなんとも思わない皇帝に異を唱えるエリオット侯爵一味とその仲間達の裏ギルドの魔法師や剣士を殲滅してくれと指名依頼を受けて帝都にいる2000名もの裏ギルドの連中をジンのスキルで次々と消して行った。
依頼を受けた初日は皇帝が手配してくれた”ほたるの里”の宿でひたすらジンだけが<タブレット>を睨みながら【イレージング】をする作業で、女性陣はジンが出したケーキを食べながらその作業を楽しんでいた。
夕食を階下に降りて5人で食べると、再びジンの部屋に入り、<タブレット>で『敵対する剣士達の所在』と打ち込みenterをポチって表示された赤い点を消していく。
今度は魔法を察知されないように【イレージング】の魔法そのものを【ハイド】を施して、宿を相手に検知されないように注意しながら夜遅くまで作業をして、その日は魔法師残り18名、剣士残り75名迄減らした。
残りは明日の朝食を終えてから行動開始として、それぞれの部屋に戻り早めにねることにした。
翌朝ジンとヒューイはいつもの朝練を終えて、シャワーを浴び5人で食堂に行った。
食堂に行くと5人程見慣れない冒険者風の男達が降りてくる人たちを観察している。
どうやら我々のことを突き止めてここまで追いかけてきた裏ギルドの剣士達のようだ。
ジンは【鑑定】してみると剣技Lv35辺りの連中ばかりだ。
朝食後の運動に裏庭に誘導して少し相手して、消そうと考えるジン。
5人に特別なスキルが無いことを確認した上でイリーナ達3人に小声で「朝食を食べた後、あの隅に固まっている裏ギルドの5人を俺とヒューイで片付けてくるから朝食終えたら、俺たちの部屋で待って居てくれる?」と伝えた。
朝食を終えて、ジンが「ヒューイ、暇だから裏庭でも行こうか?あそこは誰も来なくて静かでいいからな」とわざと5人に聞こえる声でゆっくり外の裏庭の方にむかった。
5人の裏ギルドの剣士達はまんまとジンの誘いに乗り、彼らが出た後をぞろぞろと”ほたるの里”の食堂を出て裏庭の方に来た。
「おお、やっぱり来てくれたの?食堂で運動もできないからね!」とジンが言うと一斉に相手5人が剣を抜いて切り掛かって来るが、ジンとヒューイの敵ではない。
数秒で5人の裏ギルドの連中はその一生を終えて居た。
【イレージング】を唱えて死体を綺麗に消し去り再び食堂を通って、2階のジンの部屋に戻った。
ドールがアメリカンコーヒーを用意してくれて、ジンがティラミス3個とサバラン2個を出して5人で今日の予定をケーキを食べながら話し合う。
「魔法師18人と剣士70人を今日中に片付けるにはやはりジンのスキルでもう少し、刈り取ってもらいたいわ」とイリーナ。
「そう?それじゃ今から魔法師を残り5人に剣士を残り10人に減らすよ」
ジンは<タブレット>を【次元ストレージ】から取り出して『王様と敵対する裏ギルドの魔法師達の所在』と【GOD】に打ち込みenterキーをポチる。
18名の残り魔法師達の素材がそれぞれ赤く表示された。
相手も連日仲間が目の前で神隠しのように消えて行くので、流石に警戒してグループごとに地下室などの魔法が届きにくい場所に固まって身を隠しているようだ。
ジンとしては固まっているので処理が楽で助かる。
<タブレット>様様だ!
地下室にいようが<タブレット>と同期させている魔法やスキルには全く問題はない。
あっという間に15名の魔法師達が消されてしまった。
残りの魔法師3人は【火系魔法】Lv20が二人、【水系魔法】Lv18が一人となった。
スキルは一人は【身体強化】を持っているぐらいで他二人は全く問題ない。
場所は王都の外れの森近くの炭焼き小屋に樵(きこり)に化けて潜んでいる。
一方剣士の方は70人から10人までに絞り込んで消し去ったがその10人の中には何故か【イレージング】が効かない剣士が残っている。
「それじゃ、イリーナさん達3魔女は魔法師達が潜んでいる王都の外れのきこり小屋で3人を葬って来てください、俺とヒューイとドールで10人の剣士達を消して来ますから」
ジンは<タブレット>の【GOD】に『残りの裏ギルドの剣士達の所在』と打ち込みenterキーをポチる。
3人ずつのグループになって潜り込んでいた。
最後の一人だけが例の【イレージング】が効かない相手で一人でいる。
ジン達は王都の酒場の裏にある倉庫に向かう。
「お客さん、悪いが酒場は夕方の5時からだよ」
「いや、俺たちは酒を飲みに来たわけじゃなくお宅らの裏の倉庫に用事があって来たんだ」
「貴様らの仕業か、このところ仲間が突然消えて行っていしまったのは?」
と言って、店の4人がダガーや剣を抜いて襲いかかって来るのをジンは手刀で首の骨を一人、また一人と折って倒し、ヒューイは『神龍剣』で一人の胴体を分断し、ドールがもう一人の首を切り落として最後はジンが【イレージング】で全ての死体を消し去って、裏の酒蔵に向かった。
開けた途端、相手の一人がドールに斬りかかる。
おそらくジン達の”殺気”を感じて身構えていたのだろう。
ドールがバックステップで剣を躱し、『雷剣』で相手の心臓をひと刺しで貫き葬り、残る二人をジンが手刀で首をへし折り、ヒューイも同様に手刀で首の骨を折り
葬った。
3体とも【イレージング】で消し去り、次の3人の裏ギルドの剣士のところに転移した。
一方その頃イリーナ達は王都の外れの森の入り口の魔法師が樵(キコリ)に化けて潜んでいる小屋について居た。
それぞれ3人とも既に【シールド】してドアをイリーナがノックした。
「なんだね?」
「すみません、火を燃やす薪を購入できないかと・・・」イザベラが適当に話を合わせる。
「悪いが今は予備の薪が全然無いので売るものが無いな、他所を当たってくれ」
「いつもは薪は有るのですか?裏の仕事が忙しくて薪拾いはできないのじゃ無い?」とイザベラがツッコミを入れる。
「貴様らか?仲間をどんどん消していったのは?」
「ええ、何の事?お仲間がいるの?紹介してくださらない、薪が無いとこの冬越すのが大変なのよ!」とイリーナ。
「減らず口を叩くのもいい加減にしろ、おい、表でこの女達を始末するぞ!」
と仲間二人に声を掛けて外に出て来た。
「あらあら、家より広い外の方がいいものね。【アースランス】」とイリアが後ろにいる二人に向けて土の槍を放った。
いきなりの攻撃で二人の魔法師は避けることもできず串刺しになって倒れた。
「貴様らも魔法師か!」と生き残ったもう一人が【ファイアボム】を放つが、イリーナの『リフレクションリング』でそのまま放った魔法師にファイアボムが襲いかかった。
「うわあああ、貴様らぁ〜」と言いながら死んでいった。
家の前にイリアが【土魔法】で穴を掘り、二人がかりで死体を穴に入れてイリーナが
強烈な【ファイアスプラッシュ】で死体を焼きイリアが再び埋め戻した。
「これで、魔法師の方は取り敢えず王都では一段落ね、あとはエリオット侯爵の本拠地パラメーラにいる魔法師だけね、ジン達はどうなったかしら?取り敢えず一度宿に戻っていましょ!」とイリーナがいって、3人はゆっくり”ほたるの里”に向かって歩き出していた。
ジン達3人は剣士の潜む所を3箇所とも簡単に討伐して、いよいよ最後の一人のいる彼が居るとある肉屋の作業場に向かっていた。
ジン達3人は先ほどのこともあるので魔力、スキルを全て【隠蔽】して”殺気”をけして、肉屋の主人を手刀で首の骨を折って葬り、奥の作業場に向かった。
そこに一人座って待っていたのは頭に2本の角があり、尻尾がついて居る黒い人物、魔族だった。
「どうりで【イレージング】が効かないというか跳ね返されていたわけだ。君は魔族なんだね」
「儂の姿を見ても驚かないのは褒めてやろう、折角人間界に潜り込めていたのに邪魔が入るとは、バレたからには悪いが3人とも消えてもらおう」
「ヒューイ、やれ!」
「大丈夫よパパ、あいつが喋ってる間に既に『神龍剣』で彼のスキルと魔法は既に無効化してるわ」
「なななんだ?何故お前達に魔法が効かない?貴様らは何者だ」
「それじゃ、お前の方こそ消えてもらうな【イレージング】」
魔族の男は一瞬で消えてしまった。
「ヒューイありがとうな、魔法とスキルを奪わなかったら少し面倒だったよ」
「パパ、あいつの魔法とスキルは見たの?」
「ああ、魔力MPが4500もあり、4属性全てLv30で放てる力が有ったな。問題はスキルで、【透明化】と【影操作】【闇光線】を持っていたな。あと”変身スキル”を持っていたので裏ギルドでは人間に化けていたのでだれもきがつかなかったのだろう」
「しかし、裏ギルドを潰していってわかったけど、この世界で魔族に会ったのは俺もヒューイも初めてだな。油断できない相手だぞ」そう言いながら、肉屋の主人も【イレージング】で消し去り、”ほたるの里”に戻るのだった。
宿に戻ってイリーナ達と合流して、近くのレストランで少し高級な昼食をしたあと、王宮に向かい、アグレバル皇帝に面会を頼んだ。
侍従長が飛んで来て、皇帝と皇后が待つ部屋に通された。
「ジン殿どんな塩梅だな?」
「はい、一応帝都の裏ギルド約2000名の魔法師、剣士は殲滅しました。それでお願いだですが、全て死体は消し去るか燃やして土で埋めたのですが彼らの隠れ家として使っていた何軒かのお店に関して騎士団に閉店させて売りに出すなどの後処理をお願いしたいのです」
「おお、2日間で2000人の敵を処理したのか?さすがSSSクラスの皆さんだな。隠れ家や使っていた商店はこちらで処理しいよう、あとは侯爵のところじゃな」
「はい、これに関しては彼を消していいのか皇帝の判断を仰ぎたいと思いまして」
「改心してくれるならいいのだがあそこ迄市民をないがしろにして自分の目的のためなら殺しても何とも思わない貴族は貴族ではありません、ジン殿が成敗してくだされ」
「わかりました、できるだけ犠牲者は少なくしますが彼を最後まで庇う騎士団長や魔法師は倒さざる得ないと思います」
「それはもう、ジン殿達にお任せいたします」
「明日の早朝に侯爵領に行き、仕事を終えて帰って来ますので明日の午後には帝都に戻り報告ができると思います」
「誠か!無理はしないでくれ。お主らを失いたくは無いからのう」
「わかりました、大丈夫ですそれでは明日午後良い報告ができるよう頑張って来ます」
ジン達は”ほたるの里”に戻って来てお風呂に入り着替えて夕食を皆で食べるのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます