第81話 新たな展開
ジン達はレンブラント王国の国王と冒険者ギルドからの指名依頼で王都の地下に広がる”異界の魔物の檻”ダンジョン30階層を2日掛りで踏破して王様より名誉貴族の称号とギルドから全メンバーのSSSランク昇格のギルドカードを貰って、セモアの家に戻って来た。
家に戻り、夕食をみんなでお好み寿司にして久しぶりにみんなで食事を食べるジン。
夜は本当に久しぶりにゆっくり5人で別腹のケーキタイムだ。
「イザベラも含めて私たち3人はたまたまジンやヒューイちゃんやドールの手助けでSSSランクの冒険者カードを頂けたけど、実力的にはまだまだだと思うわ」とイリーナが言い出した。
「でも、イリーナさん達も『マジックアイテム』をうまく使いこなしてちゃんと討伐できたじゃないですか」
「俺としては、途中で【付与】をしないとやばいかな?と潜る前は考えていたけど
そこまでせずとも問題なく討伐できたのですからやはりランク的にはSSSだと誇ってもいいですよ」
「ジンは少し私たちに甘すぎるわ」とイリア叔母さんがツッコミを入れてくる。
「そうそう、特にイザベラにはもっと厳しく当たらないと少し私らの力量と差が出てるわよ」
「そんなことないわ!お母さんや叔母様に少し遠慮しているだけよ」
「それじゃぁ、ダメなのよ、遠慮が命取りにもなるわ、率先してとは言わないけど
もっと状況判断を的確に早くして行動をおこしなさい」とイリーナは手厳しい。
「ヒューイちゃんやドールの様に、ここは私に任せて!と言える様にね」とイリア叔母さん。
イザベラも『マジックアイテム』をもう一度見直しして更に魔法のバリエーションを増やして母と叔母をギャフンと言わせようと心密かに思っていた。
夜も更けて、ケーキタイムをお開きにしてそれぞれ部屋に上がっていった。
リビングにはドールが一人座って、一応家全体を【シールド】を掛けているが、寝ずに警備をしている。
翌日早朝ジンはお風呂に入り、ジンは着替えて地下の訓練場に『誅戮剣』を担いで降りて行き、ヒューイとドールと素振りを始める。
いつもの朝練から始動開始だ。
素振りを終えて、ジンとヒューイはシャワーを浴びて1階のキッチンにいく。
ドールが朝食の用意をしていく。
ジンの両サイドにはヒューイとイザベラ、正面にイリーナとイリーナの妹イリア叔母さんが座ってほうんとうに久しぶりの我が家での朝食だ。
ジンが今後の目標として「一番の課題だった古代文明を崩壊に導いた異界の魔物達を殲滅したので以前シルコレア帝国の”迷宮の都市ダンジョン”迄制覇して、<タブレット>に表示されたダンジョンの7つの内3箇所は踏破したのであと4箇所をのんびり6人で討伐しに行きたいと思いますがどうですか?」
「そうね、懸案事項が無くなったから旅を楽しみながら馬車で行きましょう」とイリーナが取りまとめ役で意見を纏めて決定した。
「それじゃ、自分の着替えなどは夫々の【次元ストレージ】に入れて行ってください。それと今回は『フジ』もダンジョン以外では討伐に参加させてみようと思ってます。
「『フジ』の世話はすまないがドール、頼むね」
「わかりました、ご主人様」
「それじゃ、今から1時間後に馬車で出発するから準備頼むよ」とジンが全員に言って、昼前の10時に先ずはブルーノ迄目指して『フジ』に馬車を牽かせて出発した。
ブルーノで昼を迎え、定食屋で5人は食べて、その日は王都ダゼルの”夕餉の里”
に宿を取り、ジンがヒューイと同室でイリーナとイザベラ親子がツイン、イリア叔母さんとドールがツイン。
ドールは寝る必要がないが、叔母さんの話し相手になるということでツインを3部屋抑えて泊まることになった。
夕食を食べ終えて、ジンの部屋で皆がコーヒータイム。
ケーキを食べ終えて、その日はジン達も疲れて早々に自分たちの部屋にもどっていった。
その後ジンとヒューイは二人で冒険者になったばかりの思い出話をしながら、いつの間にか二人とも意識を手放してねいきをたてていた。
朝5時前に起きて『誅戮剣』を持ったジンと『神龍剣』を持ったヒューイは宿の裏庭で素振りを始めて毎朝のルーティーンをこなした後、二人とも着替えて朝食を食べに食堂に降りた。
冒険者でかなり混んでいたが、イリーナとイザベラ達が席を抑えてくれて5人は纏まって食べることができた。
早々に王都を出てヘルカスに向かう途中で15人程の強盗集団に襲われるが、ドールとヒューイで難なく対処してヘルカスの衛兵に引き渡した。
ヘルカスからケーべルまではのんびり行って特に何事もなくケーベルの宿に着いた。
ケーベルの街を6人でのんびりお店を覗きながら途中途中で気に入った小物入れや
ヒューイは串焼きを買って喰い歩きをして楽しんだ。
ケーベルを出るとキース迄馬車は途中タウベルで昼食をとり、キースの”とまり木”に宿を取ったが生憎部屋が満杯の状態のため、”魔女の道楽”うらに馬車を止めて馬車の中で夜をすごした。
久しぶりの馬車での夜で、それは又それで楽しく遅くまで5人で”異界の魔物の檻”ダンジョンの討伐の話に花が咲いた。
朝食を食べて、キースを出るとプロレジア帝国のデンブレッテンに行き、そこからまっすぐシルコレア帝国のスカイヨークに向かった。
途中の平原で昼食を取り、フジを少し早く走らせシルコレア帝国のスカイヨークに夕方着いて宿に入った。
キースでの朝食後ジンは<タブレット>の【GOD】にスカイヨークから近いダンジョンはと打ち込み表示を見るとこの帝都の管轄のダンジョンが2箇所有った。
スカイヨークから2キロ東に”暴食のダンんジョン”が有り、同じく北東に3キロの
所に”望郷のダンジョン”がある。
冒険者ギルドに行き、”暴食のダンジョン”に潜る旨を受付嬢にカード6人分を出し、ドールはフジの面倒を見ながら馬車で待機させた。
衛兵にカードを見せて、1階層に入って行く。
1階層にはスライムが8匹程いるが無視して進むとゴブリンが20匹程襲ってくる。
ヒューイが『神龍剣』で首を切り落として、提出部位だけを取り、2階層に進んだ。
2階層は平原でファングボア2匹とグリーンウルフが20匹群れをなしていた。
ファングボア2匹はイザベラが対応し、20匹のグリーンウルフはイリーナとイリア叔母さんが【エアカッター】と【アースランス】を共にくりだし20匹を葬った。
3階層は2階層同様に平原ステージにマナバイソン3匹がいる。
そしてさらに奥にはオーガが2体いる。
マナバイソンはイザベラが【エアカッター】で首を落とし、ジンが『煌剣』で2匹の首を切り落とした。
オーガ2匹をジンがダガー『幻影』を放ち、頸動脈を切り裂いて2匹を殺した。
4階層に向かうと前に入った5人組の冒険者が休憩している。
余り人相が良くない連中だ。
瞬時にジンが【鑑定】すると皆大したレベルでもないので、先頭のヒューイに無視して4階層を踏破するように念話した。
一人の冒険者が「おお、いい身分だね!女性5人に男が一人か、3人ほど貸せや」といちゃもんを言ってくる。
魔法師が一人、あとは剣士4人なので魔法師が魔法を何やら放とうとするがジンがそんな事を許すはずがない。
【ディスペル】で打ち消して魔法師の両腕を消した。
無視してさらにいこうとするとジンに対して剣を構えて襲って来たが『誅戮剣』で4人を一度に先頭不能にして倒し、4階層の密林ステージに向かった。
残された5人は即死ではないものの2時間後には全員3階層の肥やしとなって死亡した。
密林にはウォーターベアがいるが、ヒューイが『神龍剣』であっという間に首を切り倒して葬った。
更に行くとスフィア・フロッグが3匹いるがイリアが【アースニードル】を射ち放ち串刺しにして殺した。
5階層はボス部屋だがミノタウロスがハルバードを構えている。
イリーナが【アイスロック】をかけて、イザベラが【ファイアランス】を2発同時に放って簡単に殺してしまった。
宝箱に罠は無く、開けるとミスリル製の剣が一振り入っていた。
デロスの親父さんにあげようと即回収して、6階層に向かった。
6階層は海のステージで『潜水艇』を【次元ストレージ】から出して全員で乗り込み潜水を始めた。
潜行し始めて50メートル程行くと、海竜(バハムート)が1匹向かってくるが『魔道砲』から【ウォーターアロー】を2発打ち込みあっという間に倒した。
やはり”異界の魔物の檻”での魔物との戦いで皆技量が上がり、誰もが直ぐに対応する事であっという間の瞬殺撃だ!
更に行くとクラーケンが2匹いるがここはレーザービームの連射で討ち取って陸地に着いて、『潜水艇』を【次元ストレージ】に入れ戻した。
7階層、8階層と順調に魔物を倒し、9階層の岩竜はヒューイとジンが掌底破を2匹の甲羅の上から放ち殺して回収し、10階層の火山ステージの赤龍と対峙した。
イザベラが魔力増幅器の助けを借りて強力な【エアカッター】を2連発打つと赤龍が火炎咆哮を放つ間も無く首と足を直撃して切断して瞬殺した。
赤龍あたりだと、3人の魔女達も一人で対処出来るまで戦術的にも技量が上がって来ていた。
宝箱を開けると、『遠隔通話器』1対が入っていた。
回収してダンジョンコアと一緒に1階層に戻り、帝都スカイヨークの冒険者ギルドに戻って、素材置き場に討伐した魔物達を置いて食堂で納品書の上がるのを待った。
40分程で納品書ができて、受付にダンジョンコアと地図、冒険者カード6枚を出して待っていると2階からギルドマスターのボロンと云う中年の男性が挨拶に来てダンジョンコアを受け取り清算金白金40枚、金貨35枚、銀貨98枚、銅貨86枚をもらって皆んなで近くの定食屋に少し遅めの昼ごはんを食べに入った。
ギルドで大金を受け取った所を多くの冒険者が見ていたので少し気になったが、案の定ガラの悪い冒険者4人が定食屋まで距離を取りながら後を付けてくる。
定食屋で女性陣達のヒューイを除いて、他の連中は白味魚のムニエルと黒パンに野菜サラダと野菜スープを頼み、ジンとヒューイは煮込み定食を頼んだ。
後をつけて来た4人の男性冒険者は離れた席でエールを注文してこちらを伺う様子だ。
ドールと念話でやり取りして、ジン達が宿に戻る時、最後に出てドールが対処するように伝えた。
ジン達は宿に向かって定食屋を出ると、彼ら4人も後を追いかけてくるがドールが行く手を邪魔して行かせない。
怒った4人がドールに向かって剣を抜くがドールは軽く4人に当て身を与えて意識を奪い、定食屋から少し離れた裏通りに縄で縛って柱にくくりつけて宿に戻ってフジが繋がれている馬車に隠れた。
ジンとヒューイがコーヒーとケーキを出して食べているとイリーナとイザベラ、イリア叔母さんまでも入ってきてケーキーとコーヒーを楽しみ散々喋って部屋に戻って行った。
夕食はマナバイソンの照り焼きとガーリックパン、野菜サラダ食べ放題でスープも飲み放題と、とてもリーズナブルな宿の定食だった。
明日は1日帝都を散策してダンジョン踏破は休みと決め込んで、ジンとヒューイはのんびりお風呂に順番に入って、ベットにダイブした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます